「うちの子、味噌汁大好きやん!」

その時は私も、ちょうど下の子を産んで家で育児休暇中でした。それでちょうどいい、私にも時間があったから、3日間くらいうちに泊まりにおいでと言いました。

3日間、朝昼晩の3回の食事があれば、とりあえず簡単なものは作れるようになるはずだから。一緒に作って食べようと。

すると「わー、行く」と言って早速うちに泊まりに来ました。

我が家では、一緒にご飯を研いで炊いて、お出汁をとって味噌汁を作りました。

1日目、子どもの分のお味噌汁をどうするかと訊いたら、うちの子は味噌汁を飲まないからいらないと言うので、でもまあ一応あげてみようかと言って、子どもの分も注いで食卓に並べました。

みんなで「いただきます」と手を合わせて、子どもにお味噌汁をひと口飲ませたら、すごい勢いで一気に飲み干しました。

するとそれを見た美和は、「えー、うちの子、味噌汁大好きやん!」と嬉しそうに驚いています。

「うちの子、味噌汁大好きやん!」(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/cosa4
「うちの子、味噌汁大好きやん!」(※写真はイメージです)

食べられるものを出してなかった

今までどうしていたのか訊くと、ご飯はコンビニで売っているレンジで温めるパックのご飯を鍋で茹でて、味噌汁はインスタントの、カップのものを薄めに飲ませていたらしいのです。そういうのはもう、全然飲まないし食べなかった。

ちゃんと研いで炊いたご飯もぱくぱく食べて、親ながらびっくりして「ちゃんと作ったのだったら食べる!」と喜んでいました。

子どもは体重が少ないということで保健師指導になっていて、ずっと保健師訪問で身体を大きく、体重を増やすようにという指導を受けていたそうなのです。

「うちの子食べんからね」と言ってやり過ごしていたそうなのですが、それは食べないんじゃなくて、食べられるものを出してなかったのだ、ということに気づいた3日間でした。

3日間泊って、ご飯を炊く、お味噌汁を作る、魚を焼く、ちょっとした煮物を作る……くらいの基本的なことをひと通り一緒にやってみて、帰りには一緒に作ったハンバーグをお土産に持たせて2人は帰っていきました。