危険な武器を持ち歩いているようなもの

男性が自分の体と体液に責任を持つべき理由は、

①男性は常に妊娠させることができるから。生殖可能な日かどうか、考える必要がないことを知っているから。銃は常に装填されているから。
②単純な生理学上の理由で、妊娠を予防するにも、その原因になるにも、男性側は1000%、最適な場所にいる。
③女性による避妊法の選択肢に比べて、コンドームと精管結紮けっさつ術は、簡単で、費用がかからず、安全でシンプルで、より手に入りやすいから。

男性に対して、彼らがどれだけ妊娠させる能力を持っているかを伝えなければなりません。男性は、連日、妊娠させることができるという事実を、彼らに何度も繰り返し伝えていかなければなりません。

男性は、おもちゃではなく、実際に危険な武器を持ち歩いているようなものです。彼らが精子をどのようにして扱うのかで、命が左右されるのです。この事実を今まで強調することがなかったから、男性も女性も、深刻な失敗をしてきたのです。

男性は自分の肉体や性欲を管理できる

私は女性として、男性の性欲を体験したことはありません。女性の性的欲求としか比較することができません。(女性の性的欲求は、ヴァギナのなかに射精することとは何の関係もありません)女性の性的欲求が強いことは知っていますが、男性のそれのほうがはるかに強いという人がいます。どうやって女性の性的欲求と男性の性的欲求を比べることができるのでしょうか? それは正直、わからないのです。

女性の性欲は男性のそれよりずっと少ない、と教えられ続ける家父長制社会の外で女性を育てたというテストケースがありませんから。

家父長制社会の外とは、女性の性欲のほうが男性の性欲より弱いと教え続けられない世界です。女性はセックスを楽しまないものだと何度も繰り返し言われない世界です。女性は、男性のエゴを満足させるために、オーガズムのフリをするのが「普通」だし、セックスの途中で喜びを感じるかどうかはどうでもいい、と言われない世界です。

確かに、私には男性の性的欲求がどのようなものかはわかりません。ただ、肉体的衝動はわかります。人間が感じる肉体的衝動は、男性にとっても、女性にとっても、性欲よりはるかに強いものだということは知っています。それは排尿と排便の衝動です。無視しようと思っても、できるものではありません。体が乗っ取られるほどの衝動です。

人間であればその衝動は理解できますし、それをコントロールする術は知っています。そこらへんにおしっこをするわけじゃありません。おしっこはトイレでします。そこに行くまで我慢します。日中は、トイレ休憩をとります。

男性に性的欲求を管理すること、体液に責任を持つこと、責任ある射精をすることを期待することが、多くを求めすぎているとは思いません。

公共のトイレ
写真=iStock.com/Thinnapob
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