1928年(昭和3年)に始まったラジオ体操。2度のリニューアルを経て、1951年に現在の運動メニューになった。スポーツライターの酒井政人さんは「ラジオ体操は日本人の健康増進に一役買い、寿命が延びた要因のひとつとなりましたが、無理をしてやるとかえって体を痛めてしまう箇所もあるので注意が必要」という――。
公園で親子が並んでストレッチ
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夏休み恒例のラジオ体操で健康増進できるのか

夏休みが始まり、子供と一緒に「朝のラジオ体操」をしている親御さんも多いだろう。筆者も今夏は4年ぶりに地元のラジオ体操に参加してきた。

あの懐かしい掛け声を聞くと、カラダが勝手に反応。ラジオ体操第1はほぼほぼスムーズにできた。これは日本人あるあるだろう。

同時に以前、箱根駅伝の古豪と呼べる大学の新監督に就任したベテラン指導者の言葉を思い出した。OB監督だったが、「私が学生だった40年以上も前と同じ準備体操をしていて驚きました。これでは低迷するわけですよ」。

これだけスポーツ科学が進化している時代に、惰性でラジオ体操を続けている日本人はいかがなものか。

ラジオ体操は1928年に始まった

ラジオ体操が始まったのは1928年(昭和3年)のこと。国民の健康増進のために現在のかんぽ生命にあたる逓信省簡易保険局が誰でもできる簡単な体操を考案。当時はテレビが普及していなかったためラジオで放送された。

そして、夏休みのラジオ体操が全国に普及していく。

現在のラジオ体操第1と第2はともに3代目(2回リニューアル)で、1951年に制定されたものだ。昭和、平成、令和と時代を超えて、実に70年以上も前から日本国民は同じ動きをせっせと行ってきたことになる。

その間に運動中の給水が当たり前になるなど、スポーツ界の常識は大きく変わった。

現在の日本のラジオ体操は米国のメトロポリタン生命保険が1925年に放送開始したラジオ体操を参考にして作られたという。日本がいまだに続いているのに対して、“本家”米国はいつ中止したのかの記録がないほど、かなり前に放送を取りやめている。

大昔に考えられた運動をそのまま行っても大丈夫なのか。