お賽銭には神が宿る

おさいせんについては、もうひとつ重要なポイントがあります。

それは「おさいせんに神が宿る」ということです。木と石は神さまの魂が宿りやすく、しばしばご神体としてあつかわれますが、じつはお金も神さまの魂が宿りやすい代物です。他には日本酒やお米も宿りやすいです。

新しい年の日本の大きなロープ「しめななわ」と名付けられました
写真=iStock.com/Shutter2U
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都心の奥まった路地で、ビルにはさまれた小さな稲荷神社を訪れたときのことです。知人が見つけて参拝をしたのですが、おさいせんをあげませんでした。「おさいせんを」という声が聞こえたので、そこで僕はそっとおさいせんを供えてお辞儀をしたところ、神さまのエネルギーが風に乗って、そよそよと降りてこられました。おさいせんは神さまが宿る入れ物になったわけです。

よく人が参拝する神社であれば神さまは常時いらっしゃるのですが、ほとんど人の参拝しない神社や神職の方が常駐していない神社では、誰かが呼んでこないといけません。

参拝は神さまをお呼びするトリガーになります。しかしせっかくお呼びしても、宿る場所(よりしろ)がないと、神さまも降りてこられません。

そういうときに、おさいせんなどの「お供え物」が役に立つのです。神さまが宿る場所になるのですから、お供えするときは「そっと」お渡ししましょう。間違っても投げつけてはいけません。結婚式のご祝儀を渡すような感じで「そっと」「ていねいに」お願いします。

500円玉は「よりしろ」に向いている

ちなみに500円玉は、大きいのもあるし、それなりの金額なので「よりしろ」に向いています。1円玉だと、気持ちも重さも軽すぎて「よりしろ」になりにくいのです。

たとえばバレンタインデーのチョコレートでも、ブラックサンダーを渡す(もらう)か、それともゴディバを渡す(もらう)かで、気持ちが違いますよね。500円玉はゴディバです。ん? 安いですかね(笑)。

ちなみに人間同士でも、謝礼やプレゼントをお渡しするときに「気持ちばかりの」という言い方をしますね。

気持ちをものに込めてお渡しすることが大切です。そうすると、そのものに神が宿ります。渡された方も、ありがたく受け取ることで、お互いの運気が上昇します。

おさいせんについてつきつめると、お互いに高め合える人間関係とはなにか? という話にまでいきつきました。なんだか深い話ですよね(←自分で言うか)。