名は聞けば女の子の名前だが、文字が男の子の字

3 大愛(だいあ)

愛の字を名前に入れると、いかにも人から好かれそうで安心感を持つ人も多い。ただし人間関係の不安がもとにあり、それを打ち消すように入れられることもあり、虐待される子にも愛の字はよく見られる。

愛の字はアとは読まない。また大は、男の子に使われることが多い字である。この名は聞けば女の子の名前で、文字が男の子の字である。それからすると、とくに順調な人間関係を築く自信がない一方で、社会の規範や常識にとらわれないことが格好いい、という感覚のようにみえる。

キラキラネームは「ヤンキーの名づけ」ではない

4 流絆愛(るきあ)

ながれることをあらわす流の字は、昔から芸術家の雅号などに多い字で、気分、雰囲気、ムード、自然に湧きあがる発想を大事にする感覚をあらわす。

絆と愛は人間関係をあらわす字で、コミュニケーションがテーマである。

ルキアという呼び名は珍しいだけでなく、この名は辞典に載っている正しい読み方ではないので、他人には読めない。いわゆる「キラキラネーム」である。キラキラネームの定義、線引きは別に決まってはいないが、一般には世の中に珍しく、奇抜で、読み方や男女の区別がわかりにくいものを言う。

キラキラネームは、アホなヤンキーの名づけみたいに思われやすいが、実は逆なのである。むしろ周囲の目を気にし、過剰適応してきた「いい子ちゃん」タイプの親が多い。自由に自分の生き方を考えられなかった人にとって、無抵抗なわが子の名づけだけが、ハメをはずせるチャンスになっている。その意味では気の毒な名づけなのである。

「依」の字があらわす親が注意すべきこと

5 未依奈(みいな)

ミイナという呼び名も少ないが、まったく無いわけではない。ただミイという音自体は、人の愛称によくあり、ペットの名前にも多い。

未は、はじめは細かい枝を描いた象形文字で、小さい、見えにくい、ということもあらわす。未熟、未成年、未解決など否定の言葉にも使われるが、未来(まだこない)という言葉もあり、良いイメージで見られて名前によく使われる。依は人と衣を合わせ、衣服のようにピッタリ人にくっつくことで、依頼、依存という言葉になっている。

つまり未、依の字には、いつまでもかわいい子でそばにいてほしい、という思いが感じられる。親が注意すべきことは、子供をペットにしないように、ということだろうか。