日本は「次に旅行したい国」ランキング1位

2022年後半から日本政府が打ち出した「コロナとの共存」が一般的になり、空港規制が緩やかになっている現状を鑑みれば、今後のインバウンドの回復は急激であり、コロナ前の状況から加速度的に回復すると関係者はみています。

冒頭に上げた観光庁の入札案件「地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業に係る調査業務」でも、その背景に「本事業は、訪日外国人旅行者の急速な回復の中で」と記されています。

実際、コロナ禍の最中の「コロナが落ち着いたら行きたい国」調査でも日本は1位になっています(日本政策投資銀行と日本交通公社が共同で行った「アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 第2回 新型コロナ影響度 特別調査」2020年12月)。

これは、中国、台湾、韓国、米国、英国など12地域6000人余りに「次に海外旅行したい国・地域」について聞いたもので、アジア、欧米豪を対象としたアンケートでも、ともに日本がトップという結果でした。やはり、日本が安全で衛生的で美味しい国であることは世界中に知れわたっているのだと思います。

富士山と五重塔の眺望が人気の「新倉山浅間公園」
写真=iStock.com/Bill Chizek
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富裕層が、あらためて国内に目を向けはじめた

しかも、コロナ禍で海外旅行に行くことができず、やむを得ず国内旅行に出かけていたアウトバウンドと呼ばれる富裕層が、国内旅行を経験した結果、日本国内の素晴らしさを知りました。そうして、あらためて国内に目を向けはじめた人々を私は数多く知っています。

2022年6月に英字新聞・ジャパンタイムズが主催、先述の浜田さんや本田さんが審査員を務める「Destination Restaurants 2022」の表彰式が行われました。

デスティネーションレストランとは、地方の素晴らしいレストランのこと。東京は世界一ミシュランガイドの星付きレストランの数が多い都市といわれ、東京以外でも日本の大都市にはすぐれた店がたくさんあります。

ですが、この表彰は、〈「日本の風土の実像は都市よりも地方にある」と考えること、また、「地方で埋もれがちな才能の発掘を目指す」こと、「既存のセレクションとの差別化を図る」ことから、特に日本の地方にあるレストランに限定して選んだ〉もので、選考対象となるのは「東京23区と政令都市を除く」場所にある、あらゆるジャンルのレストランです。