いま食べている主食の量を半分にするだけでいい

池谷式「なんちゃって糖質制限」ダイエットのポイントはたったの1つです。それは、ご飯やパン、麺類といった糖質を、今食べている量の半分にすること。ただそれだけです。

いつもご飯をおかわりしていた人は、おかわりをやめる。いつもおにぎりを2個食べていた人は、1個にする。いつも牛丼を大盛にしていた人は、並盛にする。いつもご飯は1膳だった人は半膳にする……のですが、これは抵抗があるかもしれませんね。半分しか盛られていないご飯茶碗を見ると、「少なっ!」と、物足りなく感じるのではないでしょうか?

そのときには、ごはん茶碗を小さくするのも1つの案です。器が小さくなれば、中身が少なくなっても見た目には少なさを感じさせません。または、それこそ納豆ご飯の出番です。軽くよそったご飯の上に納豆をトッピングすると、見た目にも満足できて、タンパク質もプラスできます。

私は、ご飯にたっぷりの蒸し大豆やきのこを混ぜて食べる、混ぜご飯スタイルもよくやります。糖質の量を半分に減らせますし、蒸し大豆もきのこも食物繊維が豊富なので満腹感が出るのです。

大豆製品
写真=iStock.com/Diane Labombarbe
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やせている人も糖質のとり方には注意が必要

麺類も同じで、例えば家で焼きそばをつくるときには、1人分の麺で、妻と2人分をつくります。その代わり、肉や野菜、きのこをたっぷり使って、具を増やすのです。もやしを使うと見た目が麺に似ているので、麺の少なさも薄れます。

一人暮らしの方は、半分を使って、残りの半分は次回に取っておけばいいですね。あるいは、いちばん手っ取り早いのは、朝食、昼食は普通にご飯を食べて、夕食は抜くなど、「3食のうち1食分、主食を抜く」作戦です。毎回の主食を半分にするよりもわかりやすいので、より続けやすいと思います。

やせている人にも食後高血糖は起こるメタボ体型の人というのは、基本的に糖質を食べすぎています。特に私と同世代の60歳前後の方で体重がオーバーしている方は、タンパク質や脂質をとりすぎなほど食べている人はまずいませんから、問題は糖質です。

一方、やせている人は糖質を気にしなくていいのかといえば、糖質の多い食事は高血糖を招くことを考えると、やっぱり糖質のとり方には注意が必要です。健康診断で測る空腹時血糖値は正常でも、食後だけ血糖値が急上昇している「かくれ高血糖」の人は結構多いのです。そういう人は、食事のたびに血糖値の乱高下を起こしているので、血管のなかではそのたびに活性酸素が大量発生して、傷つけられます。

食後高血糖は、太っていようとやせていようと関係なく起こります。ですから、ダイエットの必要のない人も、糖質のとりすぎはよくありませんし、「そうめんだけ」「素うどんだけ」「菓子パンだけ」といった糖質オンリーの食事は食後高血糖を招いて血管を老けさせるもとです。