息子に足を引っ張られる岸田首相

自民党関係者もこういっている。

「翔太郎さんは首相秘書官になる前から、複数回、総理の外遊に同行し、政府専用機にも乗せてもらっていました。将来に向けて経験を積ませるためでしょうが、政府専用機とは文字通り、政府のスタッフが乗るためのもの。息子とはいえ、立場としては衆議院議員の事務所スタッフに過ぎない翔太郎さんが乗っていたのには、違和感を禁じ得ません」

岸田事務所の会報のタイトルは「翔」というそうだが、息子の名前からとったことは一目瞭然である。

この新潮の報道に対して、岸田首相は答えず、木原官房副長官は「公務以外の不適切な行動は確認されなかった。問題ない」という認識を示した。

しかし、こうした翔太郎氏の行動を逐一知り得るのは外務省関係者ではないかとみられ、岸田外交に常々不満を持っていた外務省関係者の関与が疑われたが、これまた真偽は藪の中である。

ウクライナのゼレンスキー大統領のためのG7広島サミットが終わり、支持率の上がったタイミングで解散・総選挙を仕掛け、憲法改正に本腰を入れようと考えていた岸田首相の企みを“頓挫”させたのも翔太郎氏であった。

“親戚の家に遊びに来た”ノリで公邸で大宴会

昨年末、翔太郎氏が首相公邸に親戚連中を招き入れ、大宴会をしていたことを週刊文春(6月1日号)が多くの写真付きで報じたのである。

現在、岸田首相は公邸で長男と2人で暮らしているのだが、昨年12月30日、親戚たちをその公邸に招いて、首相の立ち位置であるセンターで笑みを浮かべていたのが翔太郎氏本人だというのである。

だが、首相公邸は宴会場ではない。

「二一年、野党議員の質問主意書に対して政府が公表した答弁によれば、公邸は『内閣総理大臣の職務の能率的な遂行を確保し』『国の事務及び事業の円滑な運営に資することを目的とする施設』とされています。もちろん首相の私的な居住スペースもありますが、迎賓や執務機能も備え、オンラインでの首脳会談が行われることも。万全の警備体制が敷かれ、年間の維持費は約一億六千万円とされています」(官邸担当記者)

文春で翔太郎氏の知人が語っている。

「この日は、岸田家の親戚あわせて10人以上が首相公邸に集まり、忘年会が開かれたそうです。現在、岸田首相は公邸で、翔太郎氏と2人で暮らしている。ご一行にとっては“親戚の家に遊びに来た”というノリだったのでしょう」

親戚の気安さゆえか、赤じゅうたんの敷かれた階段に寝そべっている写真や、新閣僚がズラリとひな壇に並ぶ様子を模した写真もあり、やりたい放題の様子が見て取れる。