NBAプレーオフのCMに大谷が登場した意味

意外に思う人も多いかもしれないが、日本で絶大な人気と知名度を誇る大谷翔平だが、「世界的なスーパースター」の称号を得るまでには達していない。現地のブランドや人物の魅力度や親しみやすさを示す指標「Q SCORES」による米国人の認知度は17%だという。現役のスポーツ選手でいうと、ゴルフのタイガー・ウッズは81%、NBAのレブロン・ジェームズは75%。彼らとの差は歴然だ。

それでも米国企業のNBは大谷と大型契約を結ぶと、全米が注目するNBA人気カードのテレビ中継で流されたCMにも日本人アスリートを起用した。NBは野球ギアを売るためではなく、ブランドイメージをさらに向上させ、タウンシューズの売り上げを伸ばすために大谷を使うマーケティング戦略に出たと見ることもできるかもしれない。

では、日本でのマーケットはどうなのか。「カスタムファッションマガジン」(2021年9月調査)では、所有しているスニーカーのブランドランキングは以下の通りだった。

【女性】1位ナイキ、2位コンバース、3位アディダス、4位ニューバランス、5位プーマ
【男性】1位ナイキ、2位アディダス、3位ニューバランス、4位コンバース、5位アシックス

大谷がNBのウエアやシューズをカッコよく着こなしていても、女性にはファッションの参考にはなりにくい。しかし、大谷ファンがNBのシューズやウエアを購入し、インフルエンサーがグラウンド外の“大谷コーデ”をまねすれば、大人気になる可能性もあるだろう。男性は野球ファンも多く、野球グッズ以外のアパレルへの波及効果も大きいはずで、“大谷効果”でどこまでNBの売り上げが上昇するか要注目だ。

2023年シーズンも、5月末時点で打撃部門:ホームラン12本、打率.269、打点33、投手部門:5勝(1敗)、防御率2.91、脱三振率12.46……と八面六臂ろっぴの活躍を見せるショウヘイ・オオタニ。

関西大学の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)によれば、日本国内のWBC経済効果を2月下旬に約596億円と試算したが、優勝までの盛り上がったことでその後、654億円に上方修正した。

MLBでも今季順調に活躍しており、チームも念願のプレーオフ進出も期待できるかもしれない。そして日本が誇る二刀流は野球の枠を軽々と超え、日本や世界の経済を回す原動力となっていくのかもしれない。

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