日経平均株価が3万円台を回復し、1~3月の実質GDPは年率1.6%と3四半期ぶりの成長となった。日本経済はこのまま回復基調でいけるのか。経営コンサルタントの小宮一慶さんは「景気回復の恩恵を享受している業界・企業・人と、そうでもない人とに分かれている」という――。
デュッセルドルフのディーラーに並ぶトヨタヤリス
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しばらくは回復基調の日本経済

日経平均株価も3万円台を回復し、日本経済に少し明るさが見えてきました。1~3月の実質GDPで年率1.6%と3四半期ぶりの成長でした。今後もしばらくは底堅さが期待できます。

景気回復にはいくつかの理由があります。ひとつはコロナの影響が和らぎ、日本人のみならずインバウンド観光客が急増していることです。もう一つの理由は賃上げが大企業中心に進みつつあることです。さらには、回復が遅れていた製造業に明るさが見えてきたことです。

世界経済には、米国の債務上限の問題、金融危機や解決の糸口が見えないウクライナ情勢、それに関連する欧州の物価高騰などがあり、今後、世界経済の減速が懸念されていますが、今のところ、日本経済はしばらくの間、回復という感じがします。