二度誘いを断ると、声をかけられなくなる

ちなみにこれは、コロナ以前には新入社員や他部署に異動したばかりのよそ者社員に普通に流通していた基本ノウハウです。最初の数カ月、飲み会を断らずにすべて受けているうちに、あなたは必ず周囲から誘われるようになります。実はこの段階ですでに「ノリがいいやつ」として承認されているのです。これが逆に二度誘いを断ってしまうと三度目からは声がかからなくなり、同僚から承認される機会が激減してしまいます。

親指を立てる
写真=iStock.com/seb_ra
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さて、「社内でバズる」というと一発芸で注目を引くとか、大失敗をして炎上するとか、SNSでバズるのと同じやり方をイメージする方もいらっしゃるかもしれません。会社員人生にこのようなノウハウは必要ありません。重要なことはそれよりももっと基本的なことです。

それは「雑談力」と「聞く力」です。飲み会に顔を出すようになると「リモート会議のせいで、ビジネスで重要なこれらふたつの力を失ってきた」ことに気づくかもしれません。この力がこの先、社内でバズるために磨きこむべきビジネススキルです。

飲み会は「雑談力」を鍛える絶好の機会

SNSで承認されるには、話題を提供することと相手に「いいね」を提供することが大切です。実社会で承認されるためにするそれと同じことが、この雑談力と聞く力だと考えてください。会議の合間、仕事の合間での雑談は本当はビジネススキルを広げたりビジネスチャンスを見つけたりするためには重要なことです。

それがコロナ禍で機会が激減し、結果、新人だけでなくすべてのビジネスパーソンにとって「腕がなまった状態」になっています。だからこれからのアフターコロナでは意図して雑談力を回復させる行動が必要です。そして飲み会はそのための最適なリハビリの場になるはずです。

さらに飲み会では話題を提供する以上に、聞き手にまわってくれる知人は大切にされます。自分が承認欲求を持っているのと同じくらい、実は同僚も承認欲求を持っています。その同僚と相互承認が進めば「1いいね」になります。そういった知り合いの数が増えれば「10いいね」「30いいね」と社内で承認してくれる同僚の数がどんどん増えていきます。

こういった平成の時代にはあたりまえに行われてきた飲み会での立ち居振る舞いの技術が、令和のコロナ禍で失われました。実際、コロナ禍入社の社員の方はこんなことは知らなかったのではないでしょうか。