高年収キーエンス「社内日」の架電数は1日30~80件

第5位の『キーエンス解剖』にもご注目ください。

西岡杏『キーエンス解剖』(日経BP)
西岡杏『キーエンス解剖』(日経BP)

キーエンスという社名を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? おそらく多くのビジネスパーソンは、平均年収が2000万円を超えていることや、ストイックな営業の仕組みを思い浮かべるでしょう。そしてそれ以上のことは意外なほどに知らない――それがキーエンスなのです。

本書では、これまでベールに包まれていたキーエンスの内情が明かされます。

特に注目したいのは、キーエンスの営業の仕組み。キーエンスの営業部隊は、毎日10分から15分ほど、必ず商談のロールプレイングを行うそうです。カタログの説明だけではなく、製品の特徴を伝えるデモも交えながら、商談力を磨きます。

1週間を「社内日2日」と「外出日3日」に振り分け、社内日はメールやアポ取り電話、見積作成に集中するのもキーエンス営業の特徴。架電数は1日30~80件と、驚異的な数にのぼります。

外出日には、商談から5分以内に書く「外出報告書」が欠かせません。営業担当者は分刻みで商談の内容を入力し、上司と共有するのです。外出日の終わりには、上司とともに報告書を見ながら今後の方針を話し合うといいます。

さらに見逃せないのが、営業担当者の上司による「ハッピーコール」。顧客に対して「11月12日の15時にうちの営業の○○がお世話になりました。ありがとうございました。提案はご満足いただけましたか」と電話をかけ、部下が顧客のニーズを引き出せたかを確認する仕組みです。

ここまで読んだだけでも、キーエンスの強さの理由が理解できるでしょう。営業マネジャーはもちろん、それ以外の職種の人にとっても学びの多い一冊となっています。

ChatGPTから適切な回答を引き出すテクニック

最後にご紹介したいのが、第12位の『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』。話題の対話型AI、「ChatGPT(チャットジーピーティー)」の基礎知識を効率的に押さえられる一冊です。

 古川渉一、酒井麻里子『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(インプレス)
古川渉一、酒井麻里子『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(インプレス)

ChatGPTは、チャット形式の画面に質問を入力すると、まるで人と会話をしているような答えが返ってくるAIチャットサービス。2022年11月末に発表され、登場からわずか5日でユーザー数が100万人を突破しました。2023年1月には月間アクティブユーザー数が1億人を超えるなど、大きな注目を集めています。

特にチェックしたいのは、ChatGPTから適切な回答を引き出すテクニック。ChatGPTは、まるで人と会話をしているような滑らかな受け答えをする一方で、質問の巧拙によっては、誤った情報を提示したり、かみ合わない回答をしたりすることも。「AI向けの話し方」を身につけることが、ChatGPTを使いこなすためのコツなのです。

本書を読めば、ChatGPTの概要を理解でき、活用の可能性が広がるでしょう。「ChatGPTが話題になっているのは知っているものの、どういうものか理解できていない」という初心者から、「ChatGPTを使ったビジネスを検討したい」という方まで、幅広い方におすすめしたい一冊です。

今月も、キャリアプランニングからアイデア発想法、ChatGPTまで、幅広いジャンルの本がランクイン。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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