部下との1on1は「よろしくお願いします」は絶対NG

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は、ベストセラー作家・越川慎司氏の『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』でした。

越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)
越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)

部下との1on1は「よろしくお願いします」で始めてはいけない――。そう聞くと、多くの人は驚くでしょう。

ところが実際、2.4万人の一般社員を対象としたアンケートでは、「よろしくお願いします」で1on1を始めると部下のテンションが下がるという驚きのデータが浮かび上がってきたのです。

その理由は2つ。1つめは、「よろしくお願いします」と言われると、人事評価面談のように感じてしまい、「まずいことを言うとマイナス評価になるから、あまり話さないでおこう」と考えてしまうから。2つめの理由は、報告やプレゼンなどを依頼されているように感じ、困惑するからです。

では、どのように1on1をスタートすべきでしょうか。43社での行動実験で効果があったのは、「感謝・ねぎらい」の言葉で始めること。「よろしくお願いします」の代わりに「今日は忙しいのに時間を取ってくれてありがとう」「先週金曜日にトラブル対応してくれてありがとう」「後輩の指導をしてくれてありがとう」などと言うと、部下の満足度が30%以上アップすることがわかりました。

本書ではこのように、アンケートや行動実験によって明らかになった「最強チームのつくりかた」が一冊にまとまっています。マネジャー職はもちろん、これからリーダーポジションを目指したい方にもおすすめです。

「特にありません」が口癖の人は上司に信頼されない

第5位の『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』にもご注目ください。

比嘉華奈江『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』(ダイヤモンド社)
比嘉華奈江『上司に信頼される話し方 部下を傷つけない話し方』(ダイヤモンド社)

本書によると、テレワークの機会が増える中、「部下の仕事の進捗状況がわからない」「もっと積極的にコミュニケーションをとりたい」と悩んでいる上司が多くいます。さてあなたは、上司を悩ませない、的確なコミュニケーションができているでしょうか。

上司とのコミュニケーションのポイントは、先回りして情報を共有すること。朝のミーティングで「何か確認や共有事項はありませんか」と言われたら、「特にありません」だけでなく「確認は特にありません。今日は、AとBの業務を優先的にやろうと思います」などと簡単に伝えましょう。これだけでも上司は安心できるはずです。場合によっては「AやBより、Cを先にお願いできないかな」という指示をもらえるかもしれません。

テレワークにおいては特に、上司は一人ひとりの仕事の状況を把握するのは難しいもの。そんなときこそ「上司はどんな情報があれば助かるだろう」と考え、先回りして情報共有できる人は、社内での信頼度がアップするでしょう。