健康な体を手に入れるための一番の近道

ただラクに立ち、ただ心地よく歩くということを意識するだけで、こり固まっていた体がゆるみ、本当に軽くなっていったのは衝撃でした。

それまでは悪化する一方だった腰痛がたった1カ月でなくなり、猫背や巻き肩も改善したのです。それだけではなく、将来的には手術が必要と言われていた臼蓋きゅうがい形成不全や、足が痛くて歩けなかったモートン病も解消しました。首こりや肩こりも軽くなり、O脚も改善していくという大きな手ごたえを得ることができました。

ウォーキングのインストラクターとして活動しながら、体の基本的構造や機能をさらに学び、独自に応用を重ねるうちに、背中側の筋肉をたくさん動かしながら歩くことが、いかに人間の体にメリットを与えるかを発見しました。

背中がゆるむと、骨は本来の正しいポジションに戻ります。無理やり戻すのと違い、勝手に戻ってくれるのです。それまで動かせていなかった筋肉が動かせるようになります。自然と呼吸は深く安定し、血流やリンパの流れも改善し、さらに背中がゆるんでいく。この良いスパイラルの中で、体が整い、不調が改善していくのです。

「背中側の筋肉をたくさん動かしながら歩くこと」。これこそが、健康な体を手に入れるための一番の近道だと感じています。

体のケアのために頑張ってはいけない

わざわざマッサージや整体に通ったり、ハードなストレッチやトレーニングをしたりしなくても、歩きながら自然に背中を動かすことで、ゆるんだ状態をキープすることができます。

アスファルト道路上の女性のランニングシューズのクローズアップ。
写真=iStock.com/baona
※写真はイメージです

『背中をゆるめると健康になる』では、座る、立つ、歩くというそれぞれの日常動作を通じて、固くなってしまった背中をラクにゆるめていく方法を紹介していきます。

日常の動作なので無理なく体をケアすることができるし、自分の体と向き合うことでリバウンドしにくい体を作っていくことができるのです。

私はいわゆる教科書的な「正しい歩き方」ではなく、「心地よい歩き方」を探求し、不調やコンプレックスに悩む多くの人を指導しています。胸を張って力強く、颯爽と歩く必要はありません。

「ラクかどうか」がとても重要です。ラクだからこそ、健康になれるのです。ラクだからこそ、美しく見えるのです。このことを忘れないでください。がんばらなくて大丈夫です。