悩みがちなポイントに判断基準を設定し、マイルールを決める

「飲み会に行くか、行かないか」「面倒な仕事を引き受けるか、引き受けないか」「ほしいものを買うか、買わないか」などを選ぶときに悩んで時間がとられることもあるでしょう。こうしたことに悩んでしまうのは、自分の判断基準がないからです。

私も、会食のお誘いを複数からいただくことがあります。私は「行きたい場合は行く方向で調整する。そうでない場合は、『ビジネスにつながるか、どうか』で判断する」という判断基準を決めています。

会話をするビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
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仕事も同じです。マーケティングコンサルタントとして独立・起業した当初は、すべての仕事を引き受けないといけないと思い込んでいて、それほど得意ではない業界の仕事も引き受けていました。

しかし、成果に貢献できたケースとそうでないケースの割合が4:6ぐらいでした。その経験から、自分の得意ではない領域の仕事はお断りすることに決めました。短期的には売上は減りましたが、得意な領域の仕事に集中して、成果を出せるようになった結果、信頼が増し、顧客単価もあがりました。

仕事でもプライベートでも、悩みがちなポイントに判断基準を設定し、マイルールを決めておきましょう。「本は悩んだら買う」「服は迷ったら買わない」「迷ったら大変そうなほうを選ぶ」といった具合です。悩む時間を減らして、必要な行動をスピーディにとれるようになるでしょう。

まず人に依頼する仕事から先に手をつける

仕事を進めるときは、まず「人に依頼する仕事」から先に手をつけましょう。どんなに早く自分の仕事が終わったとしても、あなたの後工程への依頼が遅くなって、その仕事が終わるまで完了できないと、期日に間に合わなくなるからです。

まず人に依頼する仕事を先に進め、そのあとで自分の仕事を進めるほうが、結果的に全体のスピードも速くなりますし、不測の事態にも対処できるようになります。「A社の鈴木さんから資料がこないので」などと言う人がいますが、これは言いわけだと思われても仕方ありません。もっと早めに依頼していれば、そのような事態にならなかったかもしれないからです。

そう考えると、後工程の人にできるだけ早く仕事をお願いし、長い時間を使って価値を生み出してもらう段取りをすることは最大のポイントといえます。その場合は無理なく仕事ができるスケジュールで仕事を手渡しましょう。

後工程の人に手間をかけたり無理をさせたりしていては、そのときはよくても、長期的な信頼を築くことができません。たとえお金を支払う側だったとしても、配慮を忘れてはなりません。つねに、自分の仕事を受け取る人の立場を考えながら手順やスケジュールを考えることが、仕事の速い人の段取りです。