メンタリストのDaiGoさんが嘘をついている人物を見破ることができるのは、言葉では嘘をつくことができても、わずかに頭を掻いたり、目が泳いだりするなど、態度にあらわれる本音を見抜くからです。

このように私たちは、表情、視線、仕草、声のトーンなどで相手に無言のメッセージを発しています。だから、話を聞くときは、聞く姿勢にも注意が必要です。

相手に心を開いて話をしてもらいたいと思ったら、まずはこちらが傾聴できる「いい姿勢」を整えておくことが大切です。

カフェでスマホを見せながら話している女性
写真=iStock.com/kokouu
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うなずきで好感度が上がる

「話が続かない」「会話が弾まない」と悩んだことはありませんか?

多くの人は、「自分は話すのが苦手だから……」と自分の話し方が悪いと思っています。しかし、本当は聞き方に原因があるのです。聞き方のあいうえおの3番目は、「う」の「うなずきながら」です。

講師の中には、「私はみなさんが熱心に聞いてくれると調子が上がって、普段喋らないお得な情報までサービスで話してしまいます。だからぜひ、うなずきながら聞いてください」と参加者にリクエストする人もいます。

また、採用試験のグループディスカッションで盛り上がっていないグループは、うなずきや相槌が少ないのが特徴です。うなずいてもらったほうが話しやすいのです。

オンラインでの企業説明会や面接では、画面に就活生の顔がずらっと並び、比較できるので、笑顔でうなずきながら聞いている就活生は参加意欲や協調性が感じられ、人事担当者も好印象を持ちます。

心理学者のマタラッツォの実験では、45分間の面接を3つのフェーズに分けて行いました。

①最初の15分は面接官は普通にうなずく
②次の15分は面接官がうなずく回数を増やす
③最後の15分は最初のうなずき回数に戻す

すると、面接を受けた参加者は、①より②のうなずく回数を増やしたフェーズの方が発言時間が長くなり、③のフェーズでうなずく回数を元に戻すと不安になり、発言時間が短くなりました。相手にたくさん話してもらうには、「うなずき効果」が有効なのです。

「YES」は首を縦に振り、「NO」は横に振るという動作が用いられています。

北海道大学と山形大学の共同研究では、うなずくと、首を横に振る場合、静止したままでいる場合よりも、好ましさは約30%、近づきやすさが約40%もアップしたという結果が出ています。つまり、うなずくだけであなたの好感度は上がるのです。

人に安心感を与えるのは、ペーシング(同調行動)です。だから相手が楽しそうに軽快に話をしていれば、「うん、うん」とリズミカルにうなずき、深刻な話をしていれば、「う〜ん、なるほど」とゆっくりうなずくなど、相手に合わせることが大切です。

感じのいい話の聞き方ができる人は、「うなずき効果」を自然に使っているのです。