読みやすい文章を書くには、どこに気をつければいいのか。ライターの小川真理子さんは「読みやすい文章を書くうえで必要な『3つの文章作法』を身につけることで、伝わりやすい文章が書けるようになる。なかでも読点と呼ばれる『、』のルールを理解すれば、文や文章の意味を明確に伝えられるようになる」という――。(第2回)

※本稿は、藤吉豊、小川真理子『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/metamorworks
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内容の切り替わりがなくても改行は効果的

本稿では、ビジネスで文章を書くときの基本の作法について説明します。ビジネスの文章上達に必要なのはスキルです。ここで紹介する「3つの文章作法(スキル)」を身につけると、文章が苦手な人でも、あらゆる場面でわかりやすい文章が書けるようになります。一つひとつ身につけていきましょう。

(1)こまめに改行する

改行をすると、文末に余白が生まれ、文字がぎっしりと詰まった印象がなくなります。見た目のすっきり感に加え、改行をして段落に分けていくことで、次の効果が生まれます。

藤吉豊、小川真理子『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(KADOKAWA)
藤吉豊、小川真理子『社会人になったらすぐに読む文章術の本』(KADOKAWA)

【改行の効果】
・内容の切れ目がはっきりして内容がわかりやすくなる。
・息継ぎの場ができて、読みやすくなる。

段落とは、一般的に「長い文章を内容で分けた区切り」を指します。段落が始まるときは、改行して、1文字下げて書きはじめるのが普通です。例外として、ニュースサイトの記事やブログ、SNSなどウェブ上の文章では一字下げをしないこともあります。

ビジネスメールでは、一字下げしないのが一般的です。改行は、内容が変わるときにします。ただし、内容が変わらない場合でも、文章が長く続くときは改行をします。

メールであれば「2~3行」を目安に改行すべき

ビジネス文書では、改行はだいたい「5~6行」を目安にします。メールの場合は、パソコンやスマホで見ることを考慮し、「2~3行」ごとに改行したり、空白行を入れたりすると読みやすくなります。

元の文章
(メール文)平素より◇◇通信をご利用いただき、誠にありがとうございます。このたび、有効期限を迎える◇◇通信ポイントに関して、期間を延長することにいたしました。対象となるのは、○年□月×日から□年×月末までに有効期限を迎える◇◇通信ポイントです。詳しくは◇◇通信ウェブサイトにてご案内しております。今後とも◇◇通信をご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


改善例
平素より◇◇通信をご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび、有効期限を迎える◇◇通信ポイントに関して、期間を延長することにいたしました。対象となるのは、○年□月×日から□年×月末までに有効期限を迎える◇◇通信ポイントです。詳しくは、◇◇通信ウェブサイトにてご案内しております。

今後とも◇◇通信をご愛顧いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

元の文章は改行がないため、ぱっと見ただけで読む気がなくなります。改行と空白行を入れることで、理解もしやすくなります。