既存顧客のロイヤルティを上げる取り組み

近年、その成功例とされる企業に、カード会社のアメリカン・エキスプレス・インターナショナルや、プロ野球・ヤクルト球団などがあります。

前者は、ある調査によって「カード紛失時の対応」が、既存顧客への“信頼”に大きく影響していることを解明。そこで紛失時、速やかにカードを再発行できるシステムを導入することで、顧客ロイヤルティを高めました。

後者は、既存顧客のチケット購入データを分析し、新たなチケット販売システム(「スワチケ」)を構築。その結果、チームに“愛着”を抱くファンクラブ会員への先行販売などが可能となり、評判が上がり、新規会員の募集への反応もよくなったといいます。

先の「1:5の法則」やこうした顧客ロイヤルティが示すとおり、新規顧客をゼロから取りに行くより、既存顧客の“愛着と信頼”を守るほうが、はるかに効率がいい。

ムーヴ キャンバスも、既存顧客がこのクルマに抱く「かわいらしい」や“愛着”を守ったからこそ、彼女たちの口コミや後押しを呼ぶことに成功したのではないでしょうか。

【関連記事】
デザインや性能ではない…日本で一番売れていた軽自動車「スズキ・ワゴンR」の首位陥落の理由を解説する
日本製EVではまったく歯が立たない…中国発のBYDが「世界最強EVメーカー」として市場を席巻できる理由
新聞は「異例の会見」と報じたが…トヨタの社長交代会見での最重要発言「町いちばんのクルマ屋」の真意
ポルシェやランボとはやはり格が違う…6000万円「フェラーリ初のSUV」が完売を確実視されるワケ
東京随一の"セレブ通り"を走る富裕層が「テスラやレクサス」を選ばないワケ【2021下半期BEST5】