パーパスを口にすることより大事なこと

「ビジョンなき行動は悪夢、行動なきビジョンは白昼夢」とも言われますが、最近はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)やパーパス(存在意義)の重要性が強く説かれるようになりました。目指すべきものや信念、大義、WHY(理由)なき行動は確かに悪夢です。

しかし同時に、いくらパーパスやMVVを唱えても、それを具現化する行動がなければむなしいだけですし、何よりも企業としては事業が成り立たず倒産の憂き目を早晩見ることになるでしょう。

具体的であるということは、事業推進に対してのみならず、リーダー自身の行動についても同じく言えることです。実際問題、自分が持つ「武器」は何で、それは事業のどの部分に役立てることができるのか。今後のために、自分はどのような武器を新たに手に入れることが有効であり、また手持ちの武器の中のどれを磨き込むことが効果的なのか。

常にそうした視点で行動し、取り組みテーマを決め、動いているリーダーが強いですし、そうしたリーダーを企業や経営者は喉から手が出るほど欲しています。

あなたの評判はいつの間にか知られている

これも私は折に触れて各所でお話ししたり書いたりしてきたことですが、「一事が万事」ということが、特に経営者やリーダーの皆さんにとっては常について回ります。

皆さんが望もうとも望まざるとも、それなりの立場で業務を推進する人には、いや応なくリファレンス(経歴や評判の照会)が常について回ります。

「Aさんは、自分では決してひけらかさないけど、サプライチェーンに関する知識と業務設計力については業界トップクラスらしいよ」
「Bさんは、事業責任者だといって偉そうにしているけど、部下たちからの信任が全くないらしい」

いわゆる「人脈力資産」というものがあり、その価値や怖さは認識しておきたいものです。

皆さんが思っている以上に、転職活動においても、皆さんに対する評判というものは、直接間接問わず、かなり飛び交っていて、皆さんの選考評価に少なからぬ影響を与えているものなのです。