そのリスクは唐辛子系か? ワサビ系か?

リスクがありそうな道は極力避けるという人もいると思うのですが、リスクは回避するよりも耐性をつけた方がいい場合もあります。

僕はリスク耐性に関しては、「唐辛子」か「ワサビ」かで分けて考えています。

どういうことかというと、唐辛子の辛さって最初はただ辛いで終わってしまうのですが、食べれば食べるほど慣れて耐性がついて、どんどん辛いものを食べられるようになるんですよね。でも、ワサビは辛さの成分が違うので、いくら食べても耐性がつきません。

僕は、リスクを評価するときに、このどちらのタイプかで判断しています。

たとえば、お化け屋敷の怖さは、経験数を増やせば薄れていくので唐辛子系なんです。クサい臭いなどもだいたい慣れていくので唐辛子系でしょう。

唐辛子系のリスクは競争率が低い

世の中にはほかにもいろいろなリスクがありますが、なかでも未知のものに対しては、僕は自分がどう感じるかを試してみたくなります。

20代の頃に廃墟ブームがあって、廃病院の手術室に数時間い続けたことがありました。

当然、最初は怖いんです。でも、この怖い思いをずっと続けたら、怖さがどんどん大きくなるのか、だんだん小さくなるのか、それとも慣れて怖さを感じなくなるのか、どこまで耐えられるのかを限界まで試してみたかったんです。その結果、このタイプの怖さは唐辛子系だとわかりました。

もちろん、これは僕の場合なので、あてはまらない人もいるでしょう。

いずれにせよ、人間には耐性があるので、リスクに対しても、「慣れれば対処可能なリスク」なのか、それとも「慣れないから逃げた方がいいリスク」なのか、分けて考えると、逃げるときの判断もしやすくなります。

しかも、唐辛子系のリスクがあるものは、じつはチャンスだったりします。

多くの人は慣れれば対処可能なリスクと知らないので手を出しません。でも、そのリスクが唐辛子系とわかっている人はチャレンジができます。唐辛子系のリスクがあるものは自然と競争率が低くなるので、対処可能だと知っている人にとってはチャンスになるわけです。