【行動習慣②】やる気をあてにせず「初動」が早い

5%社員は、20代のころから、先輩や上司に何かを依頼されたらすぐに行動に移しています。どんな仕事でも取り掛かる初動が早く、テキパキと依頼ごとをこなします。

というのは、タイミングを逃すとうまくいかなくなることに気づいていて、そのため、若いうちから意識して「すぐ行動に移す」ことを心掛けているのです。

逆に、伸び悩む若手社員は口先だけでなかなか動きません。調子のいいことを言って仕事を引き受けることはありますが、ぐずぐずしているばかりで、いっこうに取り掛かりません。

「やる気」に頼らない

ポイントは、「やる気の有無にかかわらず行動を開始する」ところにあります。

越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)
越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)

ある5%社員は、20代のころ、「仕事ルーティン」を作っていたそうです。仕事を始める前の儀式を習慣化していたのです。

たとえば、出社してコーヒーを飲んだらパソコンの電源を入れる。苦手な作業を開始するときは、大きく深呼吸し、すぐに取り掛かる。そのようにして自分の中の「仕事スイッチ」を入れていたそうです。

やる気が出たら作業を開始するのでは、成果にムラが出ます。5%社員は、やる気があってもなくても、お決まりの儀式をしたら反射的に作業を開始する。そのように「仕組み化」することで、やる気の有無にかかわらず初動が遅れることがないのです。

年齢を重ねた5%社員の活躍ぶりを見るにつけ、フットワークが軽く、すぐに対応する迅速さは、20代のうちに身につけておくべきものといえるでしょう。

【行動習慣③】抜群の「巻き込み力」

5%社員はさらに、20代のうちに「巻き込み力」を身につけていました。

20代後半になると、新しい仕事をたくさん振られます。処理能力の高い優秀な若手社員でも、やがて疲弊してパンクしそうになります。それがわかっている5%社員は、20代のうちから周囲のメンバーを巻き込み、チームで仕事をするスタイルを確立していました。

「周囲を巻き込む」といっても、「はい、じゃあこれよろしく!」と誰かに“丸投げ”するわけではありません。

託したメンバーが取り掛かりやすいように事前準備を整えたり、手順書を作ったりと、完璧な状態で仕事を任せます。