手洗いで不快さや緊張感、不安がスッキリ

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第5位は『気にしない習慣』でした。

内藤誼人『気にしない習慣』(明日香出版社)
内藤誼人『気にしない習慣』(明日香出版社)

「嫌われたらどうしよう」「みんな、私のことをどう思っているんだろう」……そんなふうについつい人目を気にしてしまう真面目なあなたには、本書がぴったり。

まず実践してほしいのは、人よりも自分を大切にすること。他人のことばかり優先すると疲れてしまうので、「一番は自分」「他人はその次」を徹底しましょう。自分を大切にするからこそ、他人も大切にすることができるのです。

それでもモヤモヤしたときには、手を洗うのがおすすめ。コロンビア大学の研究によると、手洗いによって不快さや緊張感、緊張、不安などといったネガティブな感情がスッキリすることがわかっています。

こまごまとしたところにまで目が届くのは、すばらしい美点です。でも、いきすぎると気持ちが疲れてしまうことも。「もう嫌だ!」と爆発してしまう前に、本書を読んで「気にしない習慣」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

なぜ100万円の骨董品を80万円で購入できるのか

第6位の『BATNA』にもご注目ください。

齋藤孝、射手矢好雄『BATNA』(プレジデント社)
齋藤孝、射手矢好雄『BATNA』(プレジデント社)

本書のテーマは「交渉」。明治大学教授の齋藤孝氏と、国際弁護士ランキングで何度も1位に選ばれ、日本交渉学会の会長を務める射手矢好雄氏がタッグを組み、交渉に欠かせない「BATNA(バトナ)」についてわかりやすく解説してくれます。

BATNAとは、ハーバード流交渉術の最重要概念で、交渉における「代替案のなかで最良のもの」のこと。Aさんがある骨董こっとう品を80万円で買おうとしているとき、その骨董品を持つBさんは値段を100万円に設定し、決して譲らないとしましょう。このとき、Bさんから買う以外の方法を考えるのが「BATNA」です。BATNAを事前に考えておくことで、交渉をより有利に進めることができます。

交渉する際は相手の視点に立って戦略を練るべき7つのカギがありますが、そのひとつが「オプション」。自分の「利益」を実現するために、Bさんは骨董品だけでなく「別の50万円の品を併せて130万円にしてもらう」という手法です。

いわゆるプランBのようなただの代替案ではなく、目の前の相手と交渉が成立しないときに、「自分にはなにができるだろう?」「なにをするのがベストなのだろう?」とつねに考え、あらかじめ懐に持っておくべき最善の策のこと。BATNAとはそんな“奥の手”であり、“伝家の宝刀”とでもいうべき最強の武器です。

また、BATNAが使えるのは、ビジネスの交渉の場だけではありません。上司が休暇を承認してくれないときや、自分にぴったりの就職先を見つけたいとき、素敵な結婚相手を探しているとき……意外なほどさまざまなシーンで使えるのがBATNAなのです。よりよい人生を送るためのヒントとして、気軽に手に取ってほしい一冊です。