そして、善玉菌のエサとなるのが、もう1つの食物繊維「水溶性食物繊維」です。水溶性食物繊維は、昆布、わかめ、こんにゃく、里いもなど、ネバネバ、ヌルヌルしたものやごぼうなどに多く含まれています。水に溶けるとどろどろのジェル状に変化し、善玉菌のエサになるだけでなく、便をやわらかくして出やすい状態にもしてくれます。

先ほど、発酵して、腸を含めた体にいい物質を生み出すのが善玉菌と説明しましたが、ほとんどの水溶性食物繊維が、そのいい物質を生み出すための善玉菌のエサとなります。

ハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」とは何か

最近では、このような善玉菌のエサとなる食物繊維を「発酵性食物繊維」とも呼ぶようになっています。つまり、「この2種類の食物繊維を摂取するということが大切」ということなのですが、そのほか、最近、注目を集めているのが「レジスタントスターチ」です。

レジスタントスターチは、「消化されない(レジスタント)」「でんぷん(スターチ)」という意味で、その名の通り、食物繊維と同様、消化されずに大腸まで届いて作用してくれます。そのすごさは、「不溶性と水溶性(発酵性)、2つの食物繊維の機能を兼ね備えている」ところです。

善玉菌がすみやすいように腸をきれいにし、なおかつエサとなり元気にさせる、まさに「腸活の二刀流」といった働きをみせてくれます。

その効果から、食物繊維を超越しているという意味合いを込めて「ハイパー食物繊維」という異名を持っています。レジスタントスターチは、大麦などの穀類、さつまいも、じゃがいもなどのいも類、米にも多く含まれています。

「バナナ腸活」が最適である理由

私が、バナナを食べる腸活、名付けて「バナナ腸活」をおすすめする理由が主に2つあります。

バナナ
写真=iStock.com/Asobinin
※写真はイメージです

1つが、バナナは、不溶性、水溶性(発酵性)の2種類の食物繊維を含むだけでなく、このハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」を多く摂れるという点です。

主食であるパンやごはんにも、レジスタントスターチが含まれています。ごはんは冷やすとレジスタントスターチが増えるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

バナナは成熟具合によって、レジスタントスターチの量が異なるので選び方にはちょっとした工夫がいりますが、毎日摂取しやすいそれらの主食と比べると、より多くのレジスタントスターチが含まれています。

ただ、単純に量でみると、ごぼうのほうが不溶性も水溶性(発酵性)も食物繊維の量が多いです。また、特に、ふかしてから冷やしたじゃがいもなどには、バナナよりもレジスタントスターチが多く含まれます。

でも、ごぼうを使った料理を毎日考えて作って食べたり、ポテトサラダなどのふかしてから冷やしたじゃがいもを使った料理を毎日作ったりするのは、しんどいですよね。先にあげた発酵食品も同様です。食べ続けられる人は、ぜひ意識的に食べ続けてほしいのですが、しんどいと、続かない。続かないと意味がないのです。