効率よく学ぶためにはなにが重要なのか。編集者の藤吉豊さんと小川真理子さんの著書『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)より一部を紹介しよう――。
スマートフォンを使い、オフィスの外でコーヒーを飲むビジネスマン
写真=iStock.com/AzmanJaka
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学びの質は「上手な休憩」で上げられる

脳科学の分野では、休憩を挟まずにまとめて勉強する「集中学習」と、小刻みに休憩を挟む「分散学習」を比べた場合、分散学習のほうが記憶に定着しやすいことが明らかになっています。

休憩を挟まずに際限なく勉強をすると、

「集中力が続かない」
「記憶が定着しにくい」

ため、「時間をかけたのに成果が出ない」ことになります。

マインドマップの考案者であるイギリス人教育者、トニー・ブザンは、「休憩は、学習した内容を脳が吸収する時間」ととらえています。

「たとえば20~50分に一度の間隔で短い休憩を定期的にとることで、学習中に正確な情報をかんたんに想起できるようになる」(『トニー・ブザン 頭がよくなる本』/東京図書)

休憩を取る4つのメリット

(1)記憶の定着が良くなる。
(2)集中力が保たれる。
(3)飽きるのを防げる。
(4)肉体的な疲労が緩和される(肩こり、目の疲れなど)。

また、休憩を取ると、「初頭効果」と「親近効果」を活用できます。

◎初頭効果
……「最初」に提示された情報は記憶に残りやすい。
◎親近効果
……「最後」に提示された情報は記憶に残りやすい。

「最初と最後の記憶が残りやすい」という脳の特性を踏まえると、「最初」と「最後」の回数が増えるほど、学習効率が高まることがわかります。

たとえば、「休憩を入れずに3時間勉強する」場合は、「最初(初頭効果)……1回、最後(親近効果)……1回」です。

しかし、3時間を「『50分勉強+10分休憩』×3回」に分ければ、「初頭効果」と「親近効果」がそれぞれ3回発揮されることになります。