知らぬうちに天引きされる額の増え方がすごい

社会保険(労使折半)には、厚生年金、健康保険、介護保険がある。また、労働保険には雇用保険(一部本人負担)、労災保険(全額会社負担)がある。

日本の勤労者は、厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険の本人負担分をいくら払ったのか?

まず厚生年金から調べた。

厚生年金の保険料(本人負担分)は次のとおりだった。

1997年の保険料総額 10兆3415億円

2020年の保険料総額 16兆3098億円(5兆9682億円増、57.7%増

厚生年金の保険料は、引き上げが続いた。

① 2003年、総報酬制が導入された。それまでは毎月の給与からのみ保険料が徴収されていたが、賞与からも徴収されるようになった。
② 2004年、厚生年金保険料の計画的な引き上げが始まった。
➂ 短時間労働者に対する適用拡大も行われた。

結果、5兆9682億円増(57.7%増)である。これすべて、会社員の稼ぎから天引きされたのだ。

健康保険の保険料(本人負担分)は、次のようになった。

1997年の保険料総額 5兆9000億円

2020年の保険料総額 8兆8934億円(2兆9934億円、50.7%増

この保険料には、協会けんぽおよび健康保険組合が含まれている。

介護保険は2000年から導入された。介護保険料(本人負担分)の総額は、次のとおりだった。

1997年の介護保険料総額 ゼロ

2020年の介護保険料総額 1兆3461億円

雇用保険料(本人負担額)は、次のとおりだった。

1997年の保険料総額 6458億円

2020年の保険料総額 5665億円(793億円減、12.3%減

所得税の総額は、次のとおりであった。

1997年の所得税総額 3兆5013億円

2020年の所得税総額 3兆1664億円(3349億円減、9.6%減

住民税の総額は次のとおりであった。

1997年の住民税総額 10兆4275億円

2020年の住民税総額 13兆3812億円(2兆9536億円増、12.8%増