企業不祥事だったら岸田総理はアウト

2022年8月10日、予定より約1カ月前倒しの内閣改造によって、第2次岸田内閣が発足した。当初は、安倍派(清和会)を冷遇して岸田派(宏池会)で権力を固めるのが狙いの1つと言われていたが、露骨な安倍派イジメはせず、「派閥のバランスはいい」と評価される人事だった。

安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者。
安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者。(日刊現代/アフロ=写真)

しかし、8月後半に発表された内閣支持率は軒並み急落した。最大の理由は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題だ。内閣改造のもう1つの狙いは、旧統一教会をめぐる報道を打ち消すことだと言われたが、新閣僚と旧統一教会との関わりが相次いで発覚し、逆効果となった。

岸田文雄首相は7月以来「組織的な関わりはない」「社会的に問題とされる団体との関係は、各議員が丁寧に説明していくことが大事だと思う」と発言している。しかし、例えば企業不祥事で社内の80人以上が関与していたら“組織ぐるみ”と言われるのがふつうだ。組織的関わりを否定して、正面から解決に当たらない岸田首相の姿勢が不信感を抱かせている。

とはいえ、議員と旧統一教会の関わりについて、最近の報道では“新事実”であるかのように報じられているが、政界では公然の秘密だった。