40歳以上のほとんどの人には「心筋梗塞」のリスクがある。循環器内科医の池谷敏郎さんは「心筋梗塞の原因である動脈硬化は10代から始まっており、10~20年かけてリスクが高まっていく。とくに、少しの運動で息切れする人や、慢性的にふくらはぎがむくみやすい人は注意したほうがいい」という――。(第1回)

※本稿は、池谷敏郎『若い体、いつまでも! 心臓セルフメンテ』(工パブリック)の一部を再編集したものです。

心臓発作のイメージイラスト
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生活習慣の積み重ねによって発症する心臓病

心臓の病気も、生活習慣病です。食の不摂生をはじめとした、不健康な生活習慣の積み重ねによって発症します。近年、動脈硬化を原因にした、狭心症や心筋梗塞などの「虚血性心疾患」が増えています。虚血性とは血液の量が不足することで、どちらも心臓病の代表的な病気です。

とくに、心筋梗塞の場合は「突然死」をともないます。動脈硬化は、動脈の血管壁が硬く厚くなって、弾力性を失った状態。血液中のLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪の過剰、加齢にともなう生理的な要因のほか、ないしはHDL(善玉)コレステロールの減少による脂質異常症、高血圧、糖尿病(高血糖)、肥満、喫煙、運動不足、ストレスなどさまざまな危険因子が重なることでその進行が早まります。

厚くなった血管の内腔ないくうは狭くなるので、血流の通りが悪くなります。その部分にはもっと強い圧力(血圧)が加わり、血管壁は傷つきやすい状態になり、さらに硬く厚くなっていきます。

動脈硬化にはいくつかの種類があり、心臓や脳などの太い動脈で起こりやすく、血管事故につながるのが粥状じゅくじょう動脈硬化(アテローム性動脈硬化)で、いわゆる動脈硬化はこの病態を表します。粥状動脈硬化が冠動脈に発生すると、心筋に十分な血液量を送れなくなり、心筋が酸欠状態におちいります。

内腔が狭くなった冠動脈の内膜に、LDLコレステロールなどが沈着して粥状のこぶ(プラーク)をつくり、血管をさらに狭くしたり詰まらせたりします。