安倍氏の出演理由は「国際貢献への評価」

——これら海外の政治家というのは、UPFの活動を純粋に評価して参加しただけであって、「世界平和統一家庭連合」という宗教団体と親密な関係はないのですか?

【梶栗】そうです。「シンクタンク2022」でこれまで2年間にわたっておこなわれた、朝鮮半島の平和統一をめぐる議論には今、ご紹介したようにトランプ政権の閣僚を経験した政治家が複数人参加していただいております。

その流れで、歴史的な米朝会談を実現させたトランプ元大統領もビデオメッセージで基調講演をいただくことになりました。そこで、トランプ元大統領と盟友関係にあり、同じく朝鮮半島の平和実現に長く寄与してきた安倍元首相にもご参加いただけないかということで、ニューヨークに本部がある「UPFインターナショナル」と「ワシントンタイムズ」が連名で、安倍元首相側に打診をしたところ、「トランプ大統領が参加するのなら参加しよう」とお答えになって参加を快諾してくださったのです。

UPF主催のイベント「シンクタンク2022」に寄せられたトランプ元米大統領のビデオメッセージ(YouTube動画より)
UPF主催のイベント「シンクタンク2022」に寄せられたトランプ元米大統領のビデオメッセージ(YouTube動画より)

つまり、安倍元首相がUPFの「シンクタンク2022」にビデオメッセージを送ったのは、トランプ元大統領をはじめ、世界の多くの政治リーダーたちが評価をしてくださった、UPFの朝鮮半島の平和実現への取り組みを評価したからなのです。

そのメッセージの中で、韓鶴子総裁に敬意を示しているのも、教団トップだからではなく、UPFの総裁として、朝鮮半島の平和実現をはじめとした国際貢献に長年尽力をしてきたことについての敬意ですので、これをもってして「安倍元首相と教団はズブズブの関係だ」などというのはまったく事実に基づかない、言いがかり的なものではないかと私としては感じています。

——しかし、会長がいくらそのように主張をしても世間はなかなか納得しません。マスコミも旧統一教会はビジネス目的で多くの別団体を立ち上げていると指摘して、UPFや国際勝共連合についても、政治家を陰で操るための団体だと紹介しています。海外では多くの政治家が評価をするUPFなどが、なぜ日本ではそのような悪いイメージが定着してしまったのでしょうか。会長のお考えをお聞かせください。

【梶栗】まず、私たち国際勝共連合の運動、目指していることが実現してしまったら困る人たちというのは確実に存在していて、彼らからすれば、私たちの運動が広まらないよう、事実ではないことを触れ回って、「教団のフロント組織」とレッテル貼りをする「動機」はあると思います。

例えば、私たちは半世紀も前から、日本は「スパイ天国」になっているということを指摘して、他国の工作活動を罰するスパイ防止法の制定を訴えてきました。当然、「そんな法律はとんでもない」という立場の人や、他国のスパイ行為を助長しているような勢力は過去にも、私たちと反共的な信条をもつ政治家を離間させるため、いろいろな批判をしてきたということがあります。

私たちの団体や活動について、事実ではないことを触れ回っている人たちの中には、私たちの「勝共」という、共産主義を脅威として認識して、それを克服しようという運動ができないような環境をつくりたいという勢力もいるのではないか、と考えています。