「指示したことしかやらない」と不満

こうした、支配欲や自己愛の強い上司は、よく部下について「○○は、言ったことしかやらない」といった不満を言います。「指示したことしかやらない」「指示通りのことしかできない」「気が利かない」「指示待ち人間だ」といった評価をすることも多い。部下に対して絶えず「もっと察して、いろいろサポートしてほしい」という気持ちを抱えているからです。

部下は、「指示されたことをやっているから問題ないはずだ」と思っているのに、上司の側では、「言ったことしかやってくれない」と、勝手に裏切られた気持ちを持つのです。この溝が埋まらないために、上司の側では不満をつのらせ、いよいよキレてしまうのです。

「だったら、ちゃんと言葉で指示すればいいのに」と思いますが、こうした自己愛の強い上司は部下に対し、自分が言葉にしていないことまで察して行動して満足させてほしいという勝手な期待を持ちます。そして、周りに対して勝手な期待、相手に伝わらない期待を持っては「期待通りにやってくれない」とがっかりするので、心が満たされない「不全感」を持ち、ストレスを抱えやすくなります。

そこで、ストレスを解消するためのガス抜きの方法を自分で持っていればいいのですが、そのレパートリーが少ないと、そのストレスはどんどんため込まれてしまいます。そして我慢ができずに弱者、つまり部下に向けられて「キレる」という行動で当たり散らすのです。

こうした不全感は、自分のコンプレックスを刺激されやすい相手だと、さらに強まります。例えば、部下のほうが学歴が高い、部下のほうがITに詳しい、など、自分の自己愛が傷つけられると、ストレスを抱えやすくなり余計にキレるわけです。

「キレる上司」から身を守る

ではこういう上司から自分の身を守るためには、どうすればよいのでしょうか。

まずは、「この人はキレる上司だな」と感じたら、できるだけ接触頻度を減らすようにしましょう。特に、対面やリアルタイムのやり取りがあると、それだけキレられる可能性が高くなるので、できるだけ対面を避けて在宅勤務を織り交ぜたり、メールやチャットなどでのやりとりを増やすほうが安全です。

また、こうしたキレる上司の行動は、パワハラになる可能性があるので、メールや、録画・録音が可能なオンラインでのやりとりで、記録を残すようにするといいでしょう。

導火線に火のついた爆弾のイメージ
写真=iStock.com/Gearstd
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