政府の借金を減らした国は皆無

そもそも、財政政策と金融政策は、経済活動を活発化させ、物価や雇用を安定させるためのものだ。

「何が何でも政府債務残高対GDP比を下げなければいけない」という議論は世界標準ではない。

そのことは、過去20年間におけるG7諸国の政府債務残高の推移を見れば明らかである。

2001年を基準に、各国の政府債務残高の水準を比較すると、政府債務残高を減らしている国は皆無であることがわかる。

また、過去20年間の政府債務拡大規模を比較すると、英米の5倍超を筆頭に、フランス・カナダも約3倍に達している。

一方、日本は1.8倍しか拡大してない。日本経済が長期停滞を続けるのも、これでは当然の帰結というべきだろう。

拡大を続けるG7の政府債務残高 景気過熱やインフレ高騰にならない限り悪ではない