男性スタッフに対する態度で人間性が見抜ける

異性からも同性からも人気がないのは問題外ですが、だからといって「女性にモテる男=デキる男」という方程式が必ずしも成立するわけでもないのです。

異性からの人気は、“恋愛対象”として見た場合の評価になりがちですが、同性からの人気は、そうしたこととは関係なく、その人自身の人間性の客観的評価、人間としての魅力の評価の証しだと言えます。これは男性と女性、異性と同性の話ですが、要するに、相手が変わったときにどんな態度で接するか。その態度によってその人の人間性も見えてくる、ということなのです。

「クラブ由美」に限らずどこのクラブでも、お店には在籍している女の子のほかに男性スタッフがいます。女性とお酒を楽しむお店ですから、男性スタッフはどうしても裏方仕事が多くなるのですが、彼らに対する対応や態度、ものの言い方などを見ると、そのお客様の人としての度量や魅力が手に取るようにわかります。

女の子たちには鷹揚おうようで紳士的に振る舞っているのに、男性スタッフを相手にすると高飛車になるお客様は、残念なことに、粋人の多い銀座界隈かいわいでもたまに見られます。

これは他のお店での話ですが、ほんのちょっとしたミス――お預かりした荷物を間違えて出してきた程度のことだったようです――に烈火のごとく怒って、男性スタッフにその場で土下座させて謝らせたなどという、とんでもないお客様(お客様と呼びたくもないのですが)も実際にいるんです。

怒る男性
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

でも女の子だけにはやさしくて、いい格好をする。「オレは金を払っている客だぞ。何だと思ってるんだ」という態度を、男性にだけ向けるんですね。私もいままでの銀座人生で、土下座までひどくはないにしても、男性スタッフの苦労をいろいろと目にしてきているので、その分、女の子と同様に大切にしているつもりでいるのですが。

お金を使っていればちやほやしてもらえるが…

男性スタッフはお店におけるお客様の、女の子がついてないときの顔を見ています。“裏の顔”、つまり本心を見ているわけです。ですから彼らに嫌われるような人は企業人、社会人としてダメ。出世とか人の上に立つとかそうした次元の話ではありません。

お金しか見えていないバカな女の子やしたたかな女の子もいるので、ある程度のお金を使えば女性からの人気は上がるし、ちやほやもされるでしょう。でもそれは人としての魅力ではありません。その人が使うお金がちやほやされているだけなのですから。