固定電話をほとんど使った経験がない世代

(1)電話やメールにストレスを感じる可能性

彼らは中学生や高校生の時代からスマホを持っていた世代ですから、LINEなどでコミュニケーションすることが多く、電話やメールに慣れていません。特に知らない相手と電話すること、堅苦しい文章を必要とするメールの送付などが苦手です。

ここで押さえておきたいことは、今の若者は固定電話をほとんど使った経験がないということです(高校生の頃に異性の同級生宅にドキドキしながら電話をかけ、親御さんと緊張しながら会話した経験などもないのです! LINEで直接連絡すれば済むことですからね)。

メールのように形式的な文章を必要とする(少なくとも若者はそう思っている)ツールに慣れていないのです。

・人生の中で「電話」経験が非常に少ないこと
・メールよりLINE等を使っている世代である

以上のことから、20代の若者は仕事で電話やメールを使うことを30代以上の人が想像するよりもストレスに感じている可能性があることを覚えておきましょう。逆に、LINEの使い方に近い「Teams」「Chatwork」「Slack」などのビジネスチャットツールは上手に使いこなせる可能性が高いです。

スマートフォンを使用する人の手元
写真=iStock.com/loveshiba
※写真はイメージです

年上世代との関わり方に戸惑いやすい

(2)異なる世代と交わる経験に乏しい

コミュニケーションの多くが同世代とのSNSによることから派生するもう一つの問題として、異なる世代との交流に慣れていないことが挙げられます。学生時代にバイトなどをしていれば同世代以外との接点がいくらかはあるかと思いますが、特に年上世代との距離感の取り方に戸惑うことが多いようです。積極的に話しかけない、疑問があっても質問しない、不満があっても伝えないといった例が目立ちます。職場の人間関係がドライになってきたことに加えてコロナ禍の影響もあって以前のような飲みニケーションが減っていることから、コミュニケーションが不足しがちな点にも配慮する必要があるでしょう。