理屈っぽい上司には「議論しない」「第三者を使う」

(1)議論しない

一つ目は、その上司との議論をできるだけ避けることです。聞く耳をもつ上司であれば議論することに意味がありますが、聞く耳を持たず、一歩も引かない相手とは議論しても言い負かされてしまうだけです。このため、議論せずに上司の主張を見極めることだけにとどめ、「わかりました。再検討します。」と言ってまずは引き下がりましょう。

相手の主張を確認したら、その主張どおりに物事を進めて良いか具体的に検討します。例えば、大枠はその指示の通りに進めながらも、細部をおさえることで問題なく進められる場合もあります。先ほどの事例の上司も、大枠にはこだわるが細部には興味がない人だったので、細部をこちら側でコントロールすることで乗り切れたことが何度かありました。

細部のコントロールでは乗り切れない場合は、「具体的に」「どのような不都合が」生じるのかを数字(ファクト)で説明できるように用意します。そして、次の相談の際に、「ご指示の通りに検討したら、次の問題が生じましたが、どのようにしたら良いでしょうか」と判断を仰ぎます。勿論担当者としては、「その指示が不適切である」ことを言いたいのですが、そこは黙って飲み込み、あくまで上司を立てながら、判断を求めます。賢明な上司であれば、そこで考えを改めてくれることもあるかと思います。もしそれでも不都合に構わず自説にこだわるようなら、もはや正攻法では無理と判断し、次に進みます。

ビジネスにおける分析と戦略
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(2)第三者を使う

上司は、部下に対しては言いたい放題でも、外部の関係者に対しては愛想を言う場合も多いものです。また、同じ主張であっても、それが部下の口から出たものであれば聞く耳を持たなくとも、特定の関係者からのものであれば、素直に聞き入れることもあるかと思います。

そのような場合には、関係者とも十分に段取りを打ち合わせて、関係者から上司を説得してもらうのが有効です。もちろん、上司との打ち合わせの名目は説得ではなく、間接的な案件またはダミーの他の案件(近況報告、またはご提案など)としておくことは必要でしょう。お気付きの方も多いと思いますが、これは本書の第2章P54で解説している空中戦スキルです。上司に対しても有効なのです。