世界情勢が日本の食卓を直撃

ロシアのウクライナ侵攻で、資源価格の高騰が心配されている。ガソリン価格は2022年3月中旬に米国で史上最高値を記録し、日本の補助金は上限のリッター25円に達した。ロシアはエネルギー資源、鉱物資源の輸出が大きい。また、ロシアとウクライナの両国は小麦、大麦、トウモロコシなど、穀物では世界有数の生産国だ。小麦相場が最高値を更新するなど、すでに食料貿易に影響が出ている。

農産品は肥沃ひよくな土地が生み出すものだから、天然資源の1つと捉えたほうがいい。石油、天然ガス、レアアースなどと同様に、国際情勢の影響をもろに受ける。

マクドナルドのフライドポテト。
マクドナルドのフライドポテト。(時事通信フォト=写真)

農産品の動きが止まれば、日々の食事に支障が出る。21年12月末から2月初めまで、日本マクドナルドはフライドポテトのM、Lサイズの販売を2度中止した。コロナ禍で物流が混乱するなか、カナダのバンクーバー港で大規模な水害が起こり、米国やカナダのジャガイモが出荷できなくなったからだ。日本だけでなく、世界中のマクドナルドに届かなくなったのだ。フライドポテト用のジャガイモは米国が最大の供給国。主にオレゴン州とアイダホ州で生産するジャガイモでないと、マクドナルドの細長いポテトは作れない。