娘が生まれると心の女神にする人が多い

独身時代のますらおの心の支えは恋人ですが、その恋人と結婚をし、子どもを持つとまた話は変わってきます。心の支えが奥さんから徐々に子どもにシフトするようになるのです。もちろん、生活を支えてくれている奥さんも立派な支えですが、やはり自分の子ども、さらにいうと娘さんを心の支えにする人が多くなります。男の子も、もちろん心の支えになりますが、やはり弱みを見せたくないという気持ちからか、娘さんを心の女神にする人が多い傾向にあります。

親と手をつなぐ少女のシルエット
写真=iStock.com/Nadezhda1906
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家庭を持ってから、レンジャー訓練や幹部候補生学校などの厳しい訓練に参加するますらおの中には、娘の声が聞きたくて仕方がない人達がいます。教官に厳しい指導を受けた夜に、自分の娘に電話をかけ「うん、ちいちゃんも頑張るんだよ……」と話すお父さんや、消灯前のベッドで自分の娘の写真を見てウルウルしているお父さんもいます。かと思えば、お父さん達を厳しく指導している教官もまたお父さんなので、「もちもち~。ゆいたん。今日はにんじん食べられたの~。えらいでちゅねぇ」と単身赴任で会えない娘に電話することだってあるのです。お父さん達は心の支えを大切にして辛いことを乗り切ります。

娘が地下アイドルになると、ライブを開催することがある

尖ったナイフのようなますらおが、娘誕生と共に牙を抜かれた狼みたいになることもよくあります。戦いしか知らなかった狂戦士達も、娘という「美しい一輪の花」を目のあたりにすることにより「モノトーンの人生に、極彩色の彩り」が与えられ、別人に生まれ変われるのです。ある意味「鬼の目にも涙」といえるでしょう。

なお、自衛官の娘さんが地下アイドルになった場合、駐屯地の一般開放日に「お父さんの職場に来ましたー」とアイドルグループがやってきて、ライブを開催することがあります。そうした場合は、「アイドルは大好きだけど、自衛隊に興味ないオタク」と「ミリタリーが大好きだけど、アイドルに興味ないオタク」、「よく分かんないけど、ぼんやり見ている自衛官」が混在するカオス空間が誕生します。