「お金持ちになる人」は、普段からどのような行動をとっているのでしょうか。企業のオーナー経営者を中心に多くの富裕層に接してきた経済評論家の加谷珪一さんが、その独特の習慣をつまびらかにしてくれます――。

※本稿は、加谷珪一『150人のお金持ちから聞いた 一生困らないお金の習慣』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。

東アジアの教師
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お金持ちだけが持つ独特のカンとは?

お金持ちになった人の多くは、人と違うことをやってお金持ちになっているので、何かと人と違う行動をとる。そして、人と違う行動をとるためには、独自の判断基準が必要となる。お金持ちの判断基準は、お金持ちになろうとする人にとっては非常に参考になるはずだ。

地方で建設関係の会社を経営しているある資産家は、祖父の代から事業を営む一家に生まれたが、自分で新しいビジネス形態を考え、別会社を立ち上げて社長になった。保守的な地方にしてはめずらしく新しいことばかりやってきた人である。彼の判断基準は常に「人」である。

「新しいことは自分も含めて知識がないので、あれこれ考えても意味がありません。何かを人から持ちかけられたときには、その中身ではなく、その人だけを見ます。とにかく会って、じっくり話をして、その人がどんな人物か見極めるのです。極論をいうと、話の中身はほとんど考えません」

同じく地方で事業を営むある経営者の判断基準はもっとすごい。

「私は相手の声だけで判断します。声にハリがあり、元気にしゃべる人の話はじっくり聞きます。ボソボソ言う人は最初から相手にしません」

話の中身を考えず、人物だけを見る

2人の例はかなり極端かもしれないが、ある意味で本質を突いている。人間の知識や経験などたかが知れている。変化が激しい世の中で、新しい動きについてすべてを把握するのは困難だ。だが人物に関する評価は、一定の経験があれば、世の中がどんなに変化しても普遍的に対応できる。話の内容よりも、どんなタイプの人がどのように話を持ちかけてきているのかを判断するほうが安全という考え方である。

もちろん、これは誰にでもできるワザではない。人を見極める能力がない人がこれをやれば、いとも簡単に騙されてしまうので注意が必要だ。

さらにこれを実行するには、「覚悟」が必要だ。これがなかなかふつうの人にはできない。大金がかかっている状況で、人物だけを見極めると腹を括るにはかなりの度胸がいる。

だがこのやり方を貫徹できれば、時代や技術が変わっても、何も恐れる必要はない。インターネットが登場しようが、新しい金融テクノロジーが登場しようが、彼らにとってはどうでもいいことだ。判断基準は何も変わらないからである。