なぜ私が「手抜き」の受験法を教えるか

「うつ病家系は親が完全主義のうつ病気質だからその子どももうつ病になる」とよくいわれます。

教育ママ、教育パパといわれるような人に限って、受験のシステムをよくわかっていないにもかかわらず、子どもがたまたま勉強ができたりすると満点主義を求めがちです。そのため「もっと頑張れ、もっと頑張れ」と言うのですが、それで受からなかった時には、子どもの心に「失敗した」という傷だけが残ってしまいます。私が受験生たちに教える和田式受験法は、これまで「受験テクニックばかりを言って、手抜きの勉強を教えている」と散々叩かれてきました。

ですが、手抜きといわれるような要領のいい発想法を早いうちから身につけさせることは受験に限らず就職など、生涯にわたって子どものメンタルヘルスにとってよい影響を与えるはずです。

逆に根性だけで東大に合格しても、それでメンタルを傷めてしまえばその後の人間関係などで苦労することになるでしょう。

「手を抜いてはダメ」と考える人ほど挫折に弱い

よく「手を抜いていいというのはどの程度なのですか」と聞かれることがあります。

受験ならば、合格点を取ることができればいいわけですから、それ以外の努力をする必要はないというのが「手抜き」の意味です。これは会社の仕事でも同じことです。

会社からしても「さすがにこれはマズいだろう」といった「手抜き」のラインはあるわけですから、そこはクリアしておく必要があります。

手抜きやズルをするといっても受験でカンニングをしろと言っているわけではありません。受かるための勉強だけを要領よくやればいいのです。

このようないわゆる手抜きやズルの勉強で大学に合格することで「成功体験」を学べば、きっと将来にも役立ちます。

勉強や仕事が本当にできる人は、何事も要領よくこなすことでストレスを軽減できているものなのです。できると思われている人でも無理をしていれば、いつかポキッと折れてしまうことは珍しくありません。

楽なやり方を考えながら仕事に取り組み、ある程度の結果さえ出せばあとはいくら手を抜いてもいいと思っている人は、心の病にはなりにくいのです。

それとは逆に、結果に至るまでのプロセスを重視して常に「手を抜いてはダメだ」と思っている人は、一回の挫折でダメになってしまうリスクが大きいと心得てください。