ただ、そこまでやるとチームが本気になるんです。西野があそこまでやってんなら俺たちも頑張ろうと。リーダーが一番挑戦する、足を使うっていうのは一見コスパが悪いんですが、意外とコスパいいんです。

酒を信じてしまいますね

2014年に自分でやっている独演会のチケットを全部手売りにしてみたんです。会場は日比谷公会堂だったので2000枚を手売りするんです。たしか、1日20枚くらい売らないと間に合わないペースでした。はじめは友達とかに売ればいいから楽なんですけど、売れば売るほど大変になってくる。1週間海外ロケなんて行ってしまったら、帰ってきたら140枚売らないといけない。だから、居酒屋で隣になったおっちゃんに話しかけて買ってもらったりもしました。そういうことを繰り返していくと、濃いファンがつくようになったんです。地球で一番1対1をやった人が一番強いなと。

映画を一緒に見るのも、作品を通じて皆さんとコミュニケーションをとるということですし、資料もそうですけど、やっぱりコミュニケーションがむっちゃ大事なんですよ。ネットで情報や技術がカジュアルに共有されるようになっていくと、商品やサービスの質が上がっていってどこかで均一化されていくわけですよね。そうしたときに差がつくのがコミュニティがあるかどうかってことなんです。

同じ美味しさのラーメン屋が2つあったとして、片方が友人のお店だったらそっちに行くでしょ。20年前みたいに、まずいラーメン屋があった時代ではなくなってきているので、コミュニケーションとコミュニティが生まれるように設計することがとても大事だと思います。

そうしたときに、お酒の存在は大きいですね。酔っ払うと一切のコスパを忘れられるんですよ。コロナ以前、サロンメンバーと1時間半飲み会をやりましょうと言っていたのに、お酒が入ると2時間、3時間と話し続けてしまうんですよね。僕自身がちゃんとだらしなくなるんで、それで酔いつぶれて寝てしまう。そしてサロンメンバーに運ばれるっていう。そうするともう強い縁ができちゃいますよね。

お酒、やっぱりいいっすよ。もしお酒が邪魔なものであれば、この世界にこんなに種類がないと思うんですよね。何百年と残っているものって、人間の動物的なところに訴えるなにかがある。

ラオスに行ったことがあるんですけど、田舎のほうだともう言葉も全然違くて、言葉でのコミュニケーションがとれないんです。そうしたときにどうやって仲良くなるかって、美味しいものを食べる、変な顔をする、最初に恥をかくっていうことなんです。言いにくいことですけど、僕、脱ぎましたからね。でもやっぱり、最初に恥をかいた奴のことを好きになっちゃう、応援したくなるっていうのはあると思っています。そういうコミュニケーションこそがとても大事なんだと思います。ですから僕は、酒を信じてしまいますね(笑)。

「映画 えんとつ町のプペル」©西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
©西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
「映画 えんとつ町のプペル」
ハロウィンに、プペルが劇場に帰ってくる!
2021年10月22日(金)〜10月31日(日)
ハロウィン限定上映
(構成=プレジデント編集部 撮影=宇佐美雅浩)
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