精神科医である著者の作品は、課長クラスのころ社内研修で交流のあった経営学の先生からすすめられて手に取った。本書のほか『やさしさの精神病理』『食の精神病理』で一連のシリーズをなしている。

診察室を訪れる、病気というには症状の軽い「患者未満の患者」たち。彼らの訴えと背景分析、解決までがわかりやすく淡々と描き出される。ブランドものに異常に執着したり、やさしさのあまり相手に配慮をしすぎたり、食に奇妙なこだわりを示したりする「患者」らの心理は、極端ではあるが現代人に共通するものである。商品開発のヒントとして役に立つだけでなく、部下のメンタルヘルスを考えるときにも参考になる。