「それちょっとヤバいですよ」の積み重ねで社会は変えられる

女性たちを立ち上がらせる“コピー”を発明できるのは、笛美さんが広告業界で鍛えてきたクリエイティブの力にほかならない。海外の友人から、「フェミニズムの広告を作る会社をやればいい」と言われたこともある。

「もしお金をいただいてプロとして活動するとなると、失敗ができなくなる気がして。それによって自分が守りに入って保守化しそうなのも嫌で、起業にはまだ二の足を踏んでいます。

ただ、ハッシュタグにしろデモにしろ、クリエイティブの力は本当に大切なので、女性のクリエイティブ集団がいたほうがいいとは思っています。だから私自身、もっとスキルや人脈を増やしていきたいなって。

メガホン
写真=iStock.com/MicroStockHub
※写真はイメージです

それに、世の中には私なんかよりすごい女性がいっぱいいます。そういう人たちが各々の職場で『それちょっとヤバいですよ』とプチアクションを起こせば、社会は変えられると思っていて。一緒に一歩ずつやっていきましょう」

実は笛美さん、コピーだけでなく、絵も描ける(Twitterのアイコンにしている、青い顔の“笛美アイコン”も自作で、その他のイラストもおしゃれかつ高いメッセージ性を持つ)。

フェミニスト・クリエイター、笛美さんの力が必要とされるシーンは間違いなく今後も増え続けると思う。経済活動と社会活動のリンクに悩む一個人としても、彼女の活動を応援し続けたい。

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