40代を超えても脳が若い人、老化がどんどん進む人がいる。その決定的違いとは? 「脳をダメにする根本原因があるんです」と言うのは「脳の学校」代表の加藤俊徳氏だ。セブン‐イレブン限定書籍『45歳から頭が良くなる脳の強化書』からその驚きの仕組みを特別公開する──。(第2回/全3回)

※本稿は、加藤俊徳『45歳から頭が良くなる脳の強化書』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

脳は鍛えるほど適応力が高まる

人は生きていく過程で、さまざまな出来事や問題に直面します。新しい環境や仕事に適応できない、能力を発揮できない、というのは、脳がこれまでの人生で経験してきたこととは異なる「新しい情報」に対して、自分の脳を変えられないということ。

決め手は適応力です。

もし、新しい出来事に対してストレスを感じるようであれば、脳を鍛えることによって、あるいは強化することによって、適応力が生まれてスムーズに対処できるようになっていきます。

まだ20代、30代の若い人はもちろん、40代を過ぎても、適応力を高め、これからも自分の「脳」をもっと高めたい、レベルアップしたいですよね。しかし現代社会は、普通に毎日を送っているだけで脳のパワーをおかしくする「罠」がいっぱいあります。

その中でもとくに注意したいのが、次の「5つの罠」です。デジタルに極端に偏った今の暮らしぶりそれ自体が、私たちの脳の機能を低下させているのです。

人の頭部のイメージ図
写真=iStock.com/koyu
※写真はイメージです

【脳の罠①】脳の使い方がアンバランスになる

脳の成長には欠かせないものがあります。「情報」です。入ってくる情報が多ければ多いほど、脳は成長します。情報とは、五感から得るさまざまな「刺激」を意味します。

インターネットやSNSなどから得るデジタル情報は、主に文字や画像、音声で、そこから獲得する刺激は視覚・聴覚のごく一部に偏り、全身の感覚(五感)を通じて得る刺激は極端に少なくなっています。つまり、現代人は脳の使い方がすごくアンバランスになってしまっているわけです。

脳には、繰り返し何度も使う部分は鍛えられ、使われない部分は休眠状態になるという性質があります。

脳の使い方がアンバランスになって休眠状態の部分が生まれると、目の前にある情報を、情報として認識しないということが起こります。その結果、家族や仕事相手と話をしていても、微妙な表情の変化(怒りや疑問)などに気づくことができず、トラブルが生じてしまうこともあります。