何度注意しても忘れ物を繰り返してしまう子は、どうすれば忘れ物がなくなるのか。子育て・教育コンサルタントの中曽根陽子さんは、「『どうして忘れるの!』と怒ってはいけない。子どもの行動を変えるためには、考える機会を与えることが大切だ」という――。

※本稿は、中曽根陽子『成功する子は「やりたいこと」を見つけている』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

少年をしかる母親
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

「どうして」と聞く限り子どもの行動は変わらない

「子どもには、何か困ったことが起きても、自分で考えて解決できるようになってほしいと思っているのですが、うちの子すぐに私にどうすればいいのか聞いてきて、自分で考えようとしないんです」と話してくれたお母さんがいました。

考えて解決する力は、探究力と深いつながりがあります。何かを探究する上で、問題はつきもの。壁にぶつかったときに、それをどう解決するか、それを考える力がないと、探究対象を深めることはできません。

でも、実は日常生活の中に、子どもの考える力を育てる機会はたくさんあります。しかも、子どもの困った行動の中にその種があるのです。

忘れ物が多い原因は親のある行動

たとえばお子さんが、忘れ物が多いとします。何度も言っているのに、直らない。今日も、体育があるはずなのに、体操服を玄関に置き忘れている。そんなとき、皆さんだったらどうしますか?

もしかしたら、学校に届ける? あるいは帰宅後を待ち構えて「まったく、どうしてあなたはいつも忘れるの! あれほど、夜のうちに用意しなさいって言ってるじゃない」と怒っているうちにだんだんボルテージが上がって、「そんなだらしない子は、ろくな大人になれないわよ」と呪いをかけたり、「今度忘れ物したらおやつ抜きだからね」とバツを与えたり……。でも、それで忘れ物をしなくなったという話はあまり聞きません。

だって、忘れ物をした子どもの気持ちになって考えれば、「どうして」と言われても、忘れたから忘れたのであって、理由なんて答えられませんよね。そもそも、理由が分かっていたら、忘れ物はなくせるはずです。この「どうして」とか「なんで」という問いかけは、過去に向かって原因を追求する言葉。つまりマイナスの言葉かけです。

そして、言われた人は責められたと感じ、言い訳を考え始めます。