なぜ寝ても疲れが取れないのか。『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』(アスコム)を出版したあんまマッサージ指圧師の寺林陽介さんは「頭にある側頭筋の緊張が原因のひとつだ。頭のコリを放置すると首や肩のこりもひどくなる」という――。

※本稿は、寺林陽介著、内野勝行監修『寝てもとれない疲れをとる神マッサージ』(アスコム)の一部を再編集したものです。

ベッドの上の朝で偏頭痛
写真=iStock.com/torwai
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「そもそも、なぜ寝ても疲れがとれないのか」

寝てもとれない疲れをもたらす原因としては、さまざまなものが挙げられますが、大きな2つの原因があります。

それはこの2つです。

・頭の筋肉(特に側頭筋)の疲れ
・自律神経の乱れ

私はこれまで、あんまマッサージ指圧師、鍼師、灸師として、2万人を超えるお客さまの治療にあたってきました。みなさん、それぞれに異なる体のトラブルを抱えており、当然のことながら、痛みを感じる場所もこっている場所も違います。

しかし、驚くべきことに、たった1か所だけ、ほぼ全員のお客さまがこっている場所があります。それが、「頭」です。

頭がこっていないお客様に出会ったことはほぼありませんし、普段から頭の筋肉をケアしているという方もいません。

そして、頭がこっているお客さまに話を聞くと、「寝ても疲れがとれない」「頭がすっきりしない」「いま一つ、やる気が起きず、集中力も足りない」「頑固な頭痛や眼精疲労などに悩まされている」といった症状を訴えています。

ここで少し頭の筋肉について説明をします。

頭(頭蓋骨と頭皮の間)には、「前頭筋(頭の前方、額のあたりの筋肉)」「側頭筋(頭の横、耳の上あたりの筋肉)」「後頭筋(後頭部の筋肉)」といった3つの薄い筋肉があり、体内の他の筋肉同様、何らかの原因で緊張状態が続けば、頭の筋肉も疲労し、硬くなります。