紙からデジタルメディアに転職する人が続出

アメリカの調査会社であるPew Research Centerの調査によれば、2000年と2012年を比較すると、アメリカのメディアにおける写真記者やビデオ記者の仕事は43%減少し、編集者やコーディネーターやレイアウト担当者は27%、記者や編集者は32%も減少しています。

記者の多くは、運が良ければデジタルメディアに転職したり、企業の広報に転職したりしますが、廃業後に失業してしまう人もいます。このような悲惨な状況は、新聞だけではなく、書籍や雑誌を出版する出版社も同様で、紙の媒体の需要が激減しているので、デジタルメディアに転職する人が増えています。

私はロンドンで開催される、出版業界の大規模展示会である「The London Book Fair」を毎年取材していますが、15年近く前からデジタルで出版するのが当たり前、という雰囲気であり、もはや展示ブースには紙の本を置いていない出版社も珍しくありません。

大盛況で立ち見が出るセミナーは、電子書籍を売る方法、小規模出版社がデジタルメディアで生き残る方法、Kindleで売れている本のトレンド、映画製作とのコラボレーションなど、そのほとんどが、デジタルメディアに関するものです。

業界を代表する書評家としてセミナーで話をするのは、今や、有名な作家や書評家などではなく、Booktuber(動画サイトYouTubeで書評動画を発表している人)やブロガーです。デジタルメディアを制する「素人」の方が、年配の業界人よりも影響が強いのです。

配達人のライバルはドローン「ここ10年で求人数が激減する」

前出のランキングの2位の「木こり」は意外ですが、通信技術の発達や、グローバル化が、意外なところに影響を及ぼしています。

木材の需要は、出版や建設業界の先行きに左右されますが、通信技術の発達により、出版業界の景気が悪くなっており、紙の需要が減っているので、「木こり」の雇用が減っているのです。

さらに、技術革新により、建築業界で木材以外の材料を使うようになっています。技術革新は業務の効率を進めているので、以前よりも人が必要ではないのです。また技術革新も進んでいますが、事故のリスクが高くその割には収入が低いのです。

「風が吹けば桶屋おけやが儲かる」のたとえでは、風が吹くと砂埃すなぼこりのために目を病む人が多くなる……最終的に桶屋が儲かる、というふうになっていますが、グローバル時代においても、紙の本が売れなくなると、木こりが儲からなくなる、という連鎖が発生しているのです。

技術革新は、タクシー運転手の需要にも影響を及ぼしています。例えば、一般の人が、自家用車を使用して、他の消費者にタクシーサービスを提供することができるUberはその代表格です。

サービスが合法な国であれば、自家用車と、スマートフォンのアプリさえあれば、見知らぬ人を車に乗せてお金を稼ぐことが可能です。値段も安いので、消費者はわざわざタクシーを頼もうと思わなくなってしまいます。