高校受験で上位を狙うなら、100%を目指す

中学受験にチャレンジしたものの、中にはすべての学校が不合格で、公立中学に通う子もいる。今はどこの塾でも受験校は偏差値の幅を持たせるように指導があるはずだから、「本当に行きたい学校に受からなければ、公立中でいい」と考える家庭の子が、受験校を絞ったために、結果、公立中に進むというケースが多い。そういう子はある程度学力があるので、高校受験でトップ校を狙う。

教育
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高校入試は難問の割合は多くない。公立高校の入試は、教科書の範囲内にとどまっている。開成高校など私立の難関校でさえも、教科書範囲が半分を占める。だからこそ、高得点勝負になる。高校受験で上位を狙うのであれば、学校のテストでは100%を目指す勉強をすることだ。教科書の内容を確実に理解し、テストで再現できるかが重要になる。そのためには日頃から丁寧な学習を心掛けよう。

「高校受験でリベンジ!」と気合を入れる必要はない。中学受験を経験している子は、スタート時点ではかなりリードしているので、すぐに塾に行かなくてもいい。受かるはずだった学校が落ちてしまった子は、実力があるのに焦って解けなかったなど、本番に弱いことが考えられる。そういう子に「今すぐ頑張れ!リベンジだ!」と言うと、それに応えようと頑張るものの、プレッシャーから同じような失敗を繰り返してしまう。そうした場合、「今回は残念だったけれど、また6年間地道にやっていこうね」と声をかけてあげてほしい。この言葉には、「地道」=「今すぐじゃなくていい」、「6年間」=「焦らなくていい」の意味が込められている。

小6の学力で人生が決まるわけではない

今の時代、中学受験をするのなら、小学4年生から塾通いを始め、そこから3年掛けて準備を進めていくのが一般的だ。小学校生活の半分が受験勉強に費やされてしまうとなると、なんとか良い結果を出してほしいと親は願う。だが、6年生の現段階の学力で、子供のその後の将来が決まってしまうわけではない。

中には第5、第6志望だった学校に通う子もいるだろう。目指していた学校よりも偏差値が15以上も低い学校へ通うようになったとしても、悲観する必要はまったくない。受験したのは、その学校の魅力を一つでも感じていたからであり、そこで大きく伸びる可能性は誰にでもある。大事なのは、その学校を“いい学校”と思えるようになることだ。そのためには、安心できるだけの成績を目指すこと。

入学時点の成績はあまり気にする必要はない。中学に入学したら、みんな同じスタートラインに立つ。大事なのはそこからだ。そこからどう走るかで、6年後に見る景色は変わってくるだろう。

(構成=石渡真由美)
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