電力供給を安定させるため、原発の稼働年数を延長か
そもそも、SPDのシュヴェズィヒ州首相が、自らが設立なければならなかったフェイク基金に満足しているとも思えない。しかし、ノート・ストリーム2の生みの親は、SPDのシュレーダー元首相で、SPDは今もこのプロジェクトを支持している。さらに、メクレンブルク-フォーポメルン州は、メルケル首相(CDU=キリスト教民主同盟)のお膝元。すべてが複雑に絡み合っているのだろう。
ただ、このフェイク基金がこのまま通用するのかといえば、それも想像しにくい。では、これが破綻し、ノート・ストリーム2がこのまま中止されるなら、その先のシナリオはどうなるのか?
可能性は少なくとも2つ。①次期政権に電力供給の不安という要因がそのまま残される。あるいは、②電力供給を安定させるため、原発の稼働年数を延長する。
私は、②になるような気がしてならない。