在宅勤務の普及で会社での人付き合いが減った結果、人が集まるコミュニティに変化が起きている。実業家の本田直之氏は「コロナ禍はコミュニティそのものを大きく変えた。会社の人間関係だけに依存している人はこれから困ったことになる」と指摘する――。

※本稿は、本田直之『パーソナル・トランスフォーメーション コロナでライフスタイルと働き方を変革する』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

本田直之氏
写真=筆者提供

会社に行かなくなったら不要なお誘いが減った

コロナは、人間関係も大きく変えることになりました。私が主宰するオンラインサロン「Honda Lab.」のメンバー200人に対して行ったアンケートでも、「人間関係が整理できた」という声がたくさん上がっていました。

コロナで起きたのは、外出が一気に減ったこと。外に出なくなったら、薄い関係の人とは会わなくてよくなったのです。その最たるものが、会社の人たちでしょう。会社に行かなくなったので、もしかしたら無理に付き合いをしていた会社の人たちと、付き合わなくてもよくなった。

例えば、会社に行けば、「じゃあちょっと今日、みんなで飲みに行こうよ」なんて誘いがやってきたりする。それが好きな人は良かったのかもしれませんが、断るのが申し訳なくてそのまま行っていた人たちもいたはずです。そういう人たちにとっては、とても苦痛な時間だったわけです。

会社に行かなくなれば、こんな誘いもなくなります。もっといえば、仕事をしたいのに話しかけられて邪魔されたり、実は話をしたくないと思っていた人と話をしなければならなかったり。そういうこともなくなった。

リモートワークで自宅で仕事をしていれば、誰に邪魔されることなく、黙々と仕事をしていくことができます。ミーティングも最低限になって、無駄だと思っていた時間がどんどん減っていったのです。

コロナで外出しなくてよくなって、つながりたくない人とは、つながらなくてよくなった。つながりたい人とだけ、つながることができるようになったのです。

強制的だった会社のコミュニティ

コロナ前のコミュニティは、言ってみれば、強制的なコミュニティでした。強制的に、関わらなければならなかった。飲み会も強制的でした。今日、飲み会があるから来い、という空気が流れていた。だから、断りにくかったし、断れなかった。

実は今の若い人たちは、会社の飲み会には最初から行きません、という空気がありました。SNSでそれを発信して、同世代から高い支持を得たニュースが流れていたことを覚えている人も多いでしょう。

どうして会社の飲み会に参加しないといけないのか。強制的に参加させられるなら、それは会社の業務ではないのか。なぜ残業扱いにならないのか……。彼らの言い分ももっともですが、昭和のオジサンたちからは驚かれたのも事実です。