老親あるいは自分の終の棲家を確保するには、相当の覚悟を持って臨まなければならない。現在、特別養護老人ホーム(特養)の入居待機者は全国に38万人以上と言われている。同施設は入所期限がなく、24時間介護が受けられるうえ、費用(入居費・食費・雑費を加えて月額10万円程度)が安い。そのため競争率は高く、入居まで2年はかかることを考えると、居場所探しの安心材料とみることは到底できない。

さらに憂慮すべきは、2006年の改正以降、介護保険制度が「在宅介護」を軸に地域ケアを重視した介護サービスの提供を明確にしていることだ。背景には介護保険財政が逼迫している状況が垣間みられ、少子高齢化、人口減少社会の到来に向けた対応措置として社会保障費の抑制が前提にあることを示している。

特養への入居が絶望的となれば、民間の介護施設への入居が選択肢として浮上してくるが、有料老人ホームの場合、依然として入居金が500万円を下回る施設は少なく、月々にかかる経費も20万円台が相場とあっては、年金をベースにした生活設計では太刀打ちできない。打開策はないのか、という声が聞こえてきそうだが、まずは一歩間違うと誰もが介護難民になってしまう現状を認識しておきたい。

そのうえで「高齢者専用賃貸住宅」に注目したい。一般の賃貸住宅と同じで、ほかの高齢者施設とは異質の物件である。ただし、入居するのは高齢者。介護が必要になったとき医療・介護サービスの提供を受けられなければ「孤独死」の温床になってしまう。ゆえに「選び方さえ間違えなければ」という注釈がつくが、現状では身の丈にあった暮らしが手に入る第一候補といえる。