離職も就職もバイトも「連れション」するZ世代

日々、Z世代の高校生や大学生と接している中で、私も彼らの同調志向を感じることがたくさんあります。

例えば、私の仕事を手伝ってくれている学生たちとのLINEグループの中で、私が「皆に質問! 今年のハロウィンはどんなコスプレが流行ると思う?」と書き込んでも、多くの場合、誰からも返信がありません。きっと面倒くさかったり、最初の一人になるのが嫌だったりするのだと思います。ところが、一人が返信すると、雪崩を打ったように多くの子が返信を始めるのです。

一人の若手社員が辞めると、他の若手社員もそれに触発されて辞める……こういった「連れション離職」も、全国の企業で増えているという話をたくさん聞きます。逆に「連れション就職」や「連れションバイト」も増えているようです。

最近私は、彼らの同調志向を利用し、一人のサクラの学生にLINEグループへの返信をお願いすることで、他の学生の返信意欲を刺激するようにしていますが(笑)、学校や企業サイドの方も、この同調志向を利用して彼らを動かすのがよいと思います。

TikTok For Business Japan の「Z世代白書2020」(24歳までをZ世代と定義)によると、「動画を見て気になることがあったらコメントを見てしまう」(Z世代56.1%、25歳以上37.2%)、「動画や投稿を見たらとりあえずコメントを確認してしまう」(Z世代61.4%、25歳以上27.0%)などの項目でZ世代の数値が高く、彼らが他の人が書き込むコメントをかなり気にしており、上の世代より同調志向が強いであろうことが想像できます。

ゆとり世代とZ世代の細かい比較
※出所:原田曜平『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)
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