また日本であれ、アジアであれ、襟元に下着のシャツがのぞくと「おっさん臭い」印象になります。実際に臭うわけではないのですが、加齢臭が想起されやすくなるのです。これにシャツの脇の汗染みが加わると視覚的な違和感が生じ、汗臭く感じてしまいます。言い換えれば条件さえそろえば「ニオイは可視化されてしまう」のです。

冬場の汗は夏の汗よりも臭い

一方、秋冬のシーズンはジャケットを着用して脇汗が見えにくくなります。ニオイが可視化されないせいか、脇汗の質問や悩みをされる機会はほとんど無くなります。私たちは、いかに視覚的印象に依存しているかということです。

しかしながら実のところ、秋冬も電車やオフィスなどあらゆる場面で、ニオイを強く感じることが多々あります。

例えば、洗濯しにくいダウン、ウールやカシミヤのコートやニット。これらの繊維に汗がしみ込むと菌が繁殖し、素材の獣臭が気になります。

また、入浴の頻度が減るのもニオイが残る原因として挙げられます。ニオイは汗をかいた後、酸化して5時間後に発生し始めると言われています。寒くなると自身が汗ばんでいるという認識が弱くなるので入浴やシャワーの頻度が減り、さらに古い角質も残りやすいこともあり、ニオイが残りやすくなるのです。

そして、冬の汗は夏の汗よりもニオイがきつくなる可能性があります。冬は夏よりも発汗量が少ないため、汗腺の中に古い汗が残留する傾向があり、そのため濃度が高い汗が出るようになります。

笑顔で夜道を歩くカップル
写真=iStock.com/Masaru123
※写真はイメージです

これらの物質は雑菌のエサとなるので、菌が繁殖し、ニオイの発生源といえます。つまり、原因物質の濃度が高い汗が、服で蒸されることでニオイが生まれ、それが洗いにくい服に定着することで、常にイヤなニオイを放つようになるわけです。

ニオイ対策①服についたニオイを洗い落とす

ではどうすればこのニオイを撃退することができるのでしょうか?

まずは服に定着したニオイの除去から見ていきましょう。クリーニングのプロ、株式会社フランス屋本部生産部長の山咲純一氏にお尋ねしたところ「家庭で衣類のニオイを除くには、湿度の低い日に、風通しのいい場所で、天日干しする事がおすすめです。プロはドライクリーニングで除去するのですが、除去しきれない場合は衣類の素材やデザインを判断した上で、臭いが除去されやすいウエットクリーニングをします」と話しました。

また予防として、次のような処理もあるといいます。

「臭いの元となる菌を除去・付着しにくくする消臭・抗菌加工もおすすめです。お店によっては、検査機関で新型コロナウイルスの不活性化が立証された『抗ウイルスコート加工サービス』を行っています。これはクリーニング後に加工剤で洋服をコーティングするというもので、付着した時点でウイルスや空気中のあらゆる菌や微生物が不活性化します。つまり、ウイルス除去と防臭効果があります」